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リサーチ・レポート No.2021-024

リカレント教育を促進するための制度的な課題について

2022年03月23日 安井洋輔


コロナ禍を契機に、わが国でもデジタル化が進んでおり、こうした技術の変化は雇用にも構造変化を生じさせる。これに対応し、衰退する職業から成長する職業に労働力が円滑にシフトできれば、わが国の経済成長や人々の所得の増加が期待できる。他方、衰退産業に労働が滞留したり失業者・非労働力が増えることになれば、経済の停滞は避けられない。

円滑な労働移動の実現には、新たなスキルを習得するリカレント教育が重要である。もっとも、それだけでは不十分で、リカレント教育を取り巻く制度も改革する必要がある。第1に、職業情報の見える化である。job tag(日本版O-NET)の機能を拡充することで、より多くの職業の仕事内容や賃金水準、求められるスキルについて人々が容易に把握できるようになる必要がある。とりわけ職業別の時給・年収分布の提供は急務である。

第2に、ジョブ型雇用の導入である。働き方改革関連法の施行により同一労働同一賃金が適用されたが、実際には、同一職業における正規・非正規間の時給格差が残存している。厚労省は、機能が拡充されたjob tagによる時給情報を用いて、待遇格差の是正を勧告すべきである。また、企業は従業員の「囲い込み」体質から脱却し、長時間労働の是正や兼業・副業の解禁を進めることで、従業員が企業を超えた職業コミュニティを形成できるように努めるべきである。

第3に、リカレント教育の支援である。現状、多くの社会人向け講座の内容は、就業者ニーズと乖離している。地域の労使や大学、地方自治体、さらには厚労省・文科省・経産省などから成る「地域リスキリング協議会」(仮称)を設立し、地域の就業者ニーズを的確に反映した講座が作られる仕組みを構築する必要がある。また、専門実践教育訓練給付金制度の指定講座の分野・提供地域の偏りや使い勝手の悪さを改善することも重要である。

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