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JRIレビュー Vol.1, No.96

アジア経済見通し

2021年12月23日 野木森稔関辰一熊谷章太郎


2021年のアジア経済の実質成長率は、新型コロナの感染拡大で大きく悪化した前年の反動もあり、2021年は前年比+7.1%の高成長となる見込みである。先行きについては、厳しい外部環境のなか、外需の力強さや財政金融政策面からの一層の後押しが期待できないものの、厳格な活動規制の回避と中国経済の安定化が成長に寄与すると見込まれる。2022年のアジア経済の実質成長率は2021年から鈍化するものの、同+5.4%と安定成長が予想される。

しかし、新たな変異株の出現を含め様々な下振れリスクには警戒が必要である。とくに、アジア発の供給問題はグローバルなインフレ加速を助長する一因となっている。アジアにとって最悪シナリオの一つは、その供給問題が先進国、とくにアメリカの金融引き締めペースを加速させることである。その場合、国際的な流動性の縮小をもたらし、アジア金融市場の混乱、ないしはその対応策としての利上げにつながることで、アジア景気回復の勢いが削がれる可能性がある。

2022年は政治面のリスクにも注意する必要がある。アメリカと中国の間では、中国国内産業への補助金に関する対応が含まれる「第2段階合意」についても協議が開始され、米中対立が再燃する可能性が高い。これは両国に関連したビジネスの不透明感を高め、企業による投資の消極化などアジア経済全体を下押しする可能性がある。

主要国をみると、中国経済では、電力不足、活動規制の強化、不動産市場の調整などを背景に2021年夏場に大きく減速した。しかし、今後については、政府のスタンス修正を映じた投資拡大に加え、電力不足の解消も見込まれるため、減速局面から早晩抜け出す見通しである。2021年の実質成長率は+8.0%と、前年の反動で高めとなる見通しであり、2022年は潜在成長率並みの+5.4%成長に落ち着くと見込まれる。

インドでは、活動規制の一段の緩和に伴う景気拡大が続き、2022年度の実質成長率は+6.9%と、比較的高い伸びを見込む。ただし、2022年度入り後も下振れリスクの多い状況が続くと見込まれる。とりわけ、米利上げ、不良債権問題、財政削減圧力といったファクターを注視していく必要がある。
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