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リサーチ・レポート No.2021-023

アフター・コロナにおける中小企業の回復に向けた課題-世界金融危機後の中小企業の回復過程を参考に

2021年12月15日 安井洋輔


◆ コロナ禍は経済活動を大きく収縮させたが、政府・日銀の資金繰り支援のおかげで、多くの中小企業が倒産せずに済んでいる。もっとも、コロナ禍が落ち着きつつあるなか、資金繰り支援をいつまでも続けるわけにはいかない。今後、中小企業は利益を回復し、借入金を返済していく必要がある。

◆ このためには、中小企業自身によるアフター・コロナへの対応と政府による需要の下支えが必要である。2008年の世界金融危機以降を振り返ると、大胆なコスト削減によって早期回復を成し遂げた中小企業は、その後に良好なパフォーマンスを上げることができた。逆に、早期にROAを危機前の水準に戻せなかった企業はパフォーマンスが振るわず、対応が遅れれば遅れるほど回復が難しくなった。この経験を踏まえ、中小企業は、事業のデジタル化や不採算事業の削減によって効率化を実現し、早期に利益を回復させるべきである。

◆ 政府による下支えも欠かせない。地域に密着する中小企業がコスト削減に傾きすぎると、失業の増加、賃金減少による家計所得の低迷によって地域経済も疲弊してしまう。こういうときこそ政府は、打撃を受けた業種をターゲットに財政支出を拡大し、地域需要を押し上げるべきである。実際、世界金融危機後に増やした公共工事は、建設や運輸業の中小企業の回復に大きく寄与した。今回は、飲食、宿泊、生活関連サービスにその恩恵が届くように配慮すべきだ。

◆ もっとも、コロナ前とコロナ後では生活様式が大きく変わり、今まで通りの事業運営を続けていては、コロナ前の利益を回復するのは難しい。土地勘の乏しい分野に業種転換しても回復にはつながりにくいことを踏まえると、事業再構築補助金は、デジタル化を通じた業態転換や研究開発に活用されるべきである。また、会社の存続を重視するあまりに、無理をして事業を続けることは、個社としてもマクロ的にも意義は乏しい。M&Aや投資ファンドへの売却という手段も検討する必要がある。

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