リサーチ・レポート No.2021-020 【欧州経済見通し】成長と脱炭素の両立を目指す欧州経済~グリーン・インフレーションがリスク~ 2021年12月07日 井上肇、栂野裕貴景気が急回復した欧州では、足元で先行き不透明感が高まる状況。 その要因である感染再拡大、供給制約、エネルギー高の三つの逆風は 当面の消費への下押し圧力となるものの、2022年中に徐々に弱まる公 算大。ワクチンや治療薬が域内外で普及すれば、インバウンドを中心に サービス輸出も持ち直しへ。財政金融政策も景気を押し上げ。ユーロ圏では、復興基金による資金 供与の本格化が景気を下支え。復興基金は、短期的に景気を下支えす るだけでなく、中期的にEUの成長戦略「欧州グリーン・ディール」の推進 力となることが期待。ユーロ圏の物価上昇圧力は基本的に弱く、ECBに よる緩和的な金融政策が継続する見込み。以上より、欧州経済は2022年に高めの成長ペースを維持した後、2023 年に潜在成長ペースに向けて減速する見通し。もっとも、脱炭素へ向けた取り組みが先進的な欧州では、グリーン・イン フレーションによる景気下振れリスクが存在。また、フランスで極右の大 統領が誕生する可能性がある等、政治面にも不安材料。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)