リサーチ・レポート No.2021-019
【米国経済見通し】供給制約に左右される米国経済~高インフレに伴う金融政策正常化の加速がリスク~
2021年12月06日 井上肇、松田健太郎、高野蒼太
米国では、景気拡大が続いているものの、リスクも山積み。供給制約の長期化による高インフレや変異株の出現が目下の懸念材料。
労働市場では、働き盛り世代を中心に職場復帰が進むことで、深刻な人手不足は緩和へ。賃金上昇率は失業率に見合ったペースに落ち着くと予想。
個人消費は、雇用環境が改善するなかで、過剰貯蓄の取り崩しなどにも支えられ、堅調に推移する見込み。
住宅市場では、供給力回復から価格の上昇ペースは鈍化する見込み。
インフレ率は、供給制約の緩和などに伴い徐々に低下するものの、住宅価格の高騰に遅行して家賃の伸びが高まること、2022年末も2%超で推移。
FRBは、インフレ率が目標を上回って推移するなか、22年末までに利上げ開始。
以上を踏まえると、22年は4%程度の高成長が持続。23年は巡航速度の成長ペースへ。
リスクシナリオは、供給制約の長期化で高インフレが持続するケース。この場合、FRBは金融政策の正常化を加速。割高感が強まっている株価や住宅価格の下落圧力が強まる恐れ。
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