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リサーチ・フォーカス No.2021-040

ASEAN・インドのEV市場拡大に日本の自動車産業はどう向き合うべきか

2021年12月03日 松本充弘、野木森稔熊谷章太郎


ASEAN・インドはEV(電気自動車)の普及に向けた取り組みを加速させようとしており、本格的に普及することになれば、ガソリン車に競争力を有するわが国の自動車産業は生産・販売体制の見直しを迫られることになる。

今後の各国EV市場の拡大は、①自動車需要全体の増加に伴う拡大、②ガソリン車からEVへのシフトに伴う拡大、に分けて捉える必要がある。経済成長の余地が大きいインド、インドネシア、ベトナム、フィリピンでは、自動車需要の増加がEV市場拡大の主因となる一方、電力問題や財政赤字などがEVへのシフトの制約となる公算が大きい。他方、相対的に経済が成熟しているタイとマレーシアでは、自動車需要は伸び悩むとみられ、ガソリン車からEVへのシフトがEV市場拡大のけん引役になると見込まれる。

わが国の自動車産業は、アジアのEV市場で拡大パターンの違いに応じて地域別に戦略を変えていく必要がある。EVシフトの制約が大きいインド、インドネシア、ベトナム、フィリピンでは、長期的視野でEVシフトを見据えた対応を進めつつも、「つなぎ役」としての需要拡大が見込まれるHV(ハイブリッド車)やPHV(プラグ・イン・ハイブリッド車)などの販売拡大に当面注力するのが得策と思われる。一方、EVへのシフトが続くと見込まれるタイやマレーシアでは、中国企業に比して出遅れている格安EVや商用車などを含めたEV対応を加速させることが望まれる。


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