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リサーチ・アイ No.2021-052

COP26の成果と今後の課題 ―ロードマップや新興国支援の具体化が急務―

2021年11月18日 大嶋秀雄


第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)は、予定を1日延長し、11月13日に合意文書を締結して閉幕。総じてみれば、長期目標に関するコミットメントや大きな枠組みの設定で進展がみられた一方、具体策に関する合意形成は難航。

具体的な成果として、印・露等の温室効果ガス(GHG)排出の多い新興国が脱炭素目標を宣言。IEAの試算では、21世紀末の気温上昇幅は1.8℃まで縮小。加えて、合意文書では「1.5℃以内に抑える努力を追求」と、GHGのさらなる削減を目指す方向性を明示。また、新興国支援についても、先進国の資金支援の増額、国際的な排出量取引のルール化を実現。さらに、民間では、世界の450以上の金融機関が結成したグラスゴー金融同盟(GFANZ)が正式発足、今後30年で100兆ドルの脱炭素資金の供給をコミット。

一方、課題として、2030年までの各国目標の引き上げが22年末に先送りされたほか、新興国支援も具体策は未定。また、議長国の英国が重視した石炭火力発電は、合意文書に記載されたものの、表現は「段階的削減」に。石炭火力発電廃止やゼロ排出車に関する個別合意でも署名国は限定的。

気候変動対応に関しては、各国の産業構造や経済発展段階が大きく異なるため、長期目標では一致できたとしても、具体策の共通化は困難であることが浮き彫りに。今後は、各国が長期目標達成に向けた中間目標・ロードマップ策定を進め、世界全体の2050年脱炭素に向けたロードマップ策定に繫げる必要あり。先進国による新興国への資金・技術支援も、官民連携のうえ具体策の検討が急務。


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