*本事業は、令和6年度老人保健事業推進費等補助金 老人保健健康増進等事業として実施したものです。
1.事業の背景・目的
ユニット型施設とは、入居者10人程度を「ユニット」とするグループに分けて介護サービスを提供する介護施設である。これらの施設では、個々の入居者に着目して個別のケアを行う「ユニットケア」が推進されている。ユニットケアの実践には高い意識と技術が求められることから、平成15 年より、ユニット型施設に所属するユニットリーダーおよび施設管理者を主な対象としたユニットケア研修が行われている。
平成29年にユニットケア研修のカリキュラムが改訂されてから7年が経過し、入居者の要介護度が重度化しているほか、感染症への対応力強化、介護テクノロジー等を活用した生産性向上が求められる等、ユニット型施設を取り巻く環境が大きく変化している。本事業では、ユニットリーダーに求められる知識・スキル・行動様式を整理し、ユニットケア研修の内容・実施方法等の見直しを検討した。
2.事業の概要
まず、ユニットケアの実践に必要な知識・スキル・行動様式を整理するために、ユニットケアの好事例となる施設のユニットリーダーおよび施設管理者に対するヒアリングを行った。次に、全国のユニット型施設に所属するユニットリーダーおよび施設管理者を対象としたアンケート調査を行い、ユニットリーダーに求められる知識・スキル・行動様式、ユニットケア研修の課題、ユニットケア研修で学ぶべき内容を整理した。これらの結果に基づき、ユニットケア研修に関する有識者からなる検討委員会を設置し、より良いユニットケア研修に向けた議論を行った。
3.事業の成果
アンケート調査、ヒアリング調査を通じて、ユニット型施設に所属する全ての職員には、ユニットケアの理念に関する知識、入居者の生活リズムに合わせた個別ケアのスキル、ユニットメンバーに対するユニットケアを浸透させていくための教育スキル、多職種と連携したケアを実践するための行動様式等が求められることが明らかとなった。またユニットリーダーには、これらに加えて、ユニット内外の関係者との連携や、ユニット運営に関する知識・技術といったユニットのマネジメントに関するスキルが必要であるということがわかった。
これらの調査結果を踏まえて、有識者検討委員会にて、ユニット型施設を取り巻く環境の変化を踏まえた講義内容の修正、アクティブラーニングのさらなる活用、自施設の課題整理に関する演習課題の追加、実地研修施設職員による研修受講者に対する支援の実施等、ユニットケア研修の見直し方針について議論を実施した。併せて、調査結果および有識者検討委員会の助言を基に、平成19 年から見直しが行われていないユニットリーダー研修実地研修施設選定調査票の見直し案を作成した。
4.今後の課題
本事業で明らかにしたユニットリーダーに求められる知識・スキル・行動様式を学ぶことができるユニットケア研修となるよう、研修カリキュラム改訂案を具体化する必要がある。併せて、ユニットケア研修で学んだ内容を自施設に適用するための受講後フォローアップの仕組みについても検討すべきである。
※本調査研究事業の詳細につきましては、報告書
をご参照ください。【本件に関するお問い合わせ】
リサーチ・コンサルティング部門 シニアマネジャー 石田遥太郎
E-mail:ishida.yotaro@jri.co.jp

