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介護保険施設等におけるリスクマネジメントの推進に資する調査研究事業

2026年03月03日 石田遥太郎、板花俊希、城岡秀彦益田健甫、小林郁也、見上日奈子


*本事業は、令和6年度老人保健事業推進費等補助金 老人保健健康増進等事業として実施したものです。

1.事業の背景・目的
 介護保険施設等においては、要介護度の高い利用者や認知症等を有する方が増加する中で、事故の予防や再発防止、リスクマネジメントの重要性が一層高まっている。国においても、安全対策体制に関する施設基準への位置づけや介護報酬における評価、サービス別のガイドライン作成等を通じて介護現場における安全管理体制の構築に向けた取組が進められてきたが、継続的かつ実現可能なリスクマネジメントに関するノウハウ・知見の不足や中小規模の事業所における組織的な対応の難しさなど、その徹底に関しては依然として残された課題も多い。
 そこで本事業では、介護現場におけるリスクマネジメント対策の強化に向け、組織的な事故防止に向けた取組のあり方やより実効性が高い事故防止対策に関する検討を行った。またその検討結果および近年の介護現場を取り巻く環境の変化等を踏まえ、「介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドライン(案)」の作成を行った。

2.事業の概要
 介護事業者に対し、リスクマネジメント強化に向けた組織的な取組や個別の事故発生時の対応、原因分析・再発防止策の実施状況についてヒアリング調査を行った。さらに、介護現場での事故対応プロセスの好事例となる介護事業所に対して、事故情報の管理方法、原因分析・再発防止策の考え方・検討方法等の詳細な分析を行った。
 それらを踏まえ、介護現場での組織的なリスクマネジメント対策のあり方やより効果が期待され介護現場での実効性が高い事故防止対策を検討し、前述のガイドライン案の作成を行った。また、介護事業所から自治体への事故報告に使用されている「事故報告標準様式」に関しても、今後の効果的な活用に向けた検討を行った。

3.事業の成果
 介護事業者に対するヒアリング調査や有識者検討委員会での議論等を通じて、介護現場での組織的なリスクマネジメント対策のあり方に関する整理を行った。
 また、これに加えて、介護現場での組織的なリスクマネジメント対策の取組や事故発生防止に関する好事例を有する事業所での取組を整理することにより、「介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドライン(案)」を作成した。当該ガイドライン案は以下の5章構成としており、近年の介護現場を取り巻く環境の変化を踏まえた要素や好事例を有する事業所における具体的な取組例など、現在の介護現場で活用・実践しやすい内容を盛り込んだ。
 Ⅰ.介護現場におけるリスクマネジメントの基本理念
 Ⅱ.事故予防のための体制整備のあり方
 Ⅲ.事故発生時の対応におけるポイント
 Ⅳ.原因分析・再発防止、未然防止策の検討
 Ⅴ.事業者に求められる義務と責任

4.今後の課題
 本事業では、介護現場におけるリスクマネジメント対策の全体像の整理やそれを基にしたガイドライン案の作成等を行った。これらは施設系サービスを中心に検討が行われてきたところであるが、リスクマネジメント対策の推進は全介護サービスにおいて行われていくべきものであり、在宅系サービスでのリスクマネジメント対策も重要である。一方で、過去の調査研究事業を含め、在宅系サービスにおけるリスクマネジメント対策のあり方の検討や、在宅系サービス特有の課題に向けた具体的な取組手法の検討には至っていない。今後は施設系サービスを中心に発展してきた介護現場でのリスクマネジメント対策をどのように在宅系サービスにも展開・波及させていくかについての検討を行い、介護サービス全体でリスクマネジメント対策の強化を図っていく必要があると考えられる。

※本調査研究事業の詳細につきましては、下記の報告書をご参照ください。
報告書

【本件に関するお問い合わせ】
リサーチ・コンサルティング部門 シニアマネジャー 石田遥太郎
E-mail:ishida.yotaro@jri.co.jp

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