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2026年8月31日

各位

株式会社日本総合研究所


未来社会価値研究所報(Annual report 2025-26)を発表

~政治、テクノロジー、産業、企業経営などの「まだ見えない価値」を探究し未来を構想~



 株式会社日本総合研究所(本社:東京都品川区、代表取締役社長:内川淳、以下「日本総研」)は、「未来社会価値研究所」(以下「本組織」、注1)の2025年度の活動進捗報告として、「未来社会価値研究所報(Annual report 2025-26)」(以下「本書」)を発表します。
 本書は、2050年頃までの「誰もまだ経験していない未来の社会における価値」を以下の6つのプロジェクトを通じて探求し、その分析・提言を13の論考として取りまとめたものです。

1. 政治人材バンク
2. 生成AIのイノベーティブな活用
3. 未来政府
4. 繊維産業の未来を考える
5. カルチャーイン・カルチャーアウト
6. 次世代資本主義

 本書は、以下からご覧になれます。 
 「未来社会価値研究所報(Annual report 2025-26)」


■背景
 収束の兆しが見えない戦争・紛争や気候変動、またそれらが引き起こす物価高など社会の持続可能性への脅威とともに、既存の仕組みや考え方の延長だけでは対応できない課題が増えています。これにより、従来常識とされてきた「社会的な価値」が2050年までの間に劇的に変化することが予想される中、将来の持続可能で豊かな社会を実現するためには「現時点ではまだ見えない価値」を捉える視点が重要です。
 本組織では、これからの社会に起こり得る可能性を先入観なく捉え、未来の社会やそこで生きる将来世代について日常的な時間軸を超えて構想し、過去の経験や洞察を通じて今すべきこと・できることを選択することが、現在を生きる人間の役割だと考えています。こうした認識にたって、まだ誰も経験したことのない2050年頃の日本を展望し、未来の「社会的な価値」の探究を進めてきました。本書は、その4回目の研究進捗報告として2025年度の活動をまとめ、発表するものです。


■概要
 本書は、以下の6つのプロジェクトについて、2050年までの社会で中心的な役割を担う世代の研究員が中心となり、社会の新しい価値観や、求められる組織・職業のあり方に関する論考を掲載しています。


1. 「政治人材バンク」
 地方議会議員のなり手不足が全国的に深刻な課題となる中、本プロジェクトは地方政治を担う新たな人材を輩出することを目指して、社会起業家やNPO、民間企業などに潜在する政治人材の発掘・機運醸成と、その人材が活躍するための教育サポート機能の提供に向けた取り組みを行っています。本論考では、政治をキャリアとして考えるために社会起業家らと実施したワークショップで得られた知見を踏まえ、地方政治に新たに求められる人材像に着目しました。多様な人材のキャリアパスに地方議員という選択肢を提示し、担い手不足を乗り越える仕組みづくりや、地方議員の仕事が本質的な役割を発揮するために必要な取り組みに関する提言をまとめました。

2. 「生成AIのイノベーティブな活用」
 本プロジェクトは、既存業務の効率化・アシストにとどまらない「生成AIを使わないとできないこと」を幅広く検討し、アイデアの実装を目指すものです。例えば、決まった形式がなく数値化できない非構造化定性データは、これまで定量的な関係分析が困難とされてきました。そこで、本論考では、そうした非構造化定性データの一つである「選挙公報」を題材に、候補者によって自由に作成される非定型な選挙公報の内容が実際の選挙の動向にどのような影響を与えているかについて、マルチモーダルAIを用いて分析した結果を取りまとめ、生成AIの活用可能性を展望しています。

3. 「未来政府」
 本プロジェクトでは、政策だけでなく政策を生み出す「仕組み」から見直すことで未来を見据えたより良い政策形成プロセスのあり方を検討します。本論考は、政策形成を支える審議会の実態と課題について具体的な事例研究を通じて明らかにするため、社会保障審議会医療保険部会におけるOTC類似薬の保険給付見直しの議論を題材に、政策目的(医療保険財政の持続可能性確保)と最終的な制度設計との関係が、どの段階で、どのように検討・変更されたのかを分析しました。そして、議論プロセスに見られる「委員構成」「論点設定」「委員発言」の観点から、本部会がその機能をより効果的に発揮するための5つの改善点を提言しています。

4. 「繊維産業の未来」
 本論考では、カーボンニュートラル目標の2050年に人々がどのような衣服を身に着けているのか、また、その衣服はどのような資源から、どのような仕組みによって生み出されているのかということを、衣服を供給する産業の視点から考察しました。日本の繊維産業が抱える「原料」「製造」という二つの外部依存とそのリスクの検討を通じて、新たな資源を外から大量に調達する「消費国」から、すでに国内に存在する資源(過去に輸入され国内に蓄積されている膨大な衣服)を繰り返し活用して小さく回していく「循環国」へと、日本が目指すべき方向性を提言しています。

5. 「カルチャーイン・カルチャーアウト」
 企業の価値観や想い(カルチャー)を起点に商品・サービスを生み出して市場の共感を得ること(カルチャーアウト)、また、市場や社会で生まれる新たな価値観や文化を取り込み企業文化に反映すること(カルチャーイン)を循環させながら、モノ・コトづくりや経営を進化させていくための経営・マーケティングのアプローチを研究します。本論考では、長い年月にわたり事業を継続する100年企業の経営からカルチャーイン・カルチャーアウトの考え方や取り組みを紐解き、近年市場に芽生えつつある「界隈」などの新たなカルチャーと、企業カルチャー・パーパスとの関係を提示しています。

6. 「次世代資本主義」
 次世代資本主義は、次世代の権利と利益に配慮し(次世代の)、次世代の声を経営に反映し(次世代による)、次世代がより良く生きられる社会を実現すること(次世代のための)を志向するものです。企業が社会性と営利性の両立を実現するには、目先の株主利益だけでなく、まだ声を持たない将来世代の利益を織り込んだ経営が求められます。本論考では、従業員の子どもを重要なステークホルダーとして事業戦略の内側に位置づけ、親子の対話を通じて従業員の働く意味を問い直すことが次世代資本主義の実現に向けた一歩であると考え、先進的な企業の事例分析と働く親を対象とした意識・実態調査を通じて、企業経営に子どもを包摂するための具体的かつ実践的な取り組みを検討しました。

 本組織は、これらの研究成果を踏まえて今年度新たなプロジェクトを始動させるなど、今後もさらに探究と提言を進めていく予定です。プロジェクトの最新情報は以下、本組織のwebページでご覧いただけます。
https://www.jri.co.jp/service/special/content32

(注1)未来社会価値研究所について
 2030年から2050年というスパンで、将来世代が直面するであろう問題に光を当て、その解決策を社内外の叡智を結集して共に考え、提言を発信すると同時に、日本総研のみならずSMBCグループ、さらには外部の企業・組織と連携して具現化する社内組織。


以上


■本件に関するお問い合わせ先
【報道関係者様】広報部        金井  電話:080-3437-9449
【一般のお客様】未来社会価値研究所長 村上  メール:murakami.megumuatjri.co.jp
              (メール送付の際はatを@と書き換えて送信してください)

 
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