コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

メディア掲載・書籍

掲載情報

藤沢市の有機質資源再生センター 建設・運営にPFI導入

出典:日刊建設工業新聞 2003年12月10日

来年2月に事業者公募

農水省補助事業で初 変則型BTO方式

神奈川県藤沢市は、家畜ふん尿に生ごみやせん定枝などを加えてたい肥を製造する「有機質資源再生センター」(仮称)の建設・運営事業に、PFI方式を導入する方針を決めた。農林水産省の補助を受けるとともに、共同事業者としてJAさがみや畜産農家14者が建設・運営事業に参画することが事前に決まっており、民間事業者だけを選定するのが特徴。同市はPFI実施方針を04年1月に公表し、2月に民間事業者の公募を開始する。早ければ9月をめどに、民間事業者を決めたい考えだ。農水省の補助事業でPFI方式を導入するのは、全国で初めてのケースとなる。

藤沢市は、有機質資源再生センターの建設・運営事業にPFI方式を導入するに当たり、日本総合研究所とアドバイザリー契約を締結した。有識者審査委員会を今後設立し、具体的な事業日程を詰める。建設費は用地代を含まず約14億円。PFI事業の導入に際しては藤沢市、神奈川県の負担は10分の1、国は2分の1をそれぞれ補助として負担。残りの3割は民間事業者が負担する。施設の運営期間は供用開始となる06年8月から21年7月までの15年間。事業者となる民間事業者は、JAさがみや畜産農家と連携し、たい肥の製造やたい肥生産プラントの維持・管理、製造したたい肥の販路システムの構築までを行う。有機質資源再生センターに導入するたい肥製造プラントは、資金的な面で当初計画のメタン発酵併用方式から通常たい肥化方式に変更。藤沢市は家畜ふん尿や生ごみ、せん定枝の処理能力として年間約1万5000トン、たい肥製造能力は年間約5000~7000トンを想定。建設地は藤沢市宮原字矢田の約1万5000平方メートルで、土地は借地方式で藤沢市が手当てする。事業スキームで特徴的なのは、農水省や神奈川県の補助を受ける方策として、民間事業者が藤沢市に対し施設完成後に所有権をいったん移転、同省と県から補助金の支出を受けた後に、同市から民間事業者に所有権を再度移転する「変則型BTO方式」を適用。ただ所有権移転に伴う登録免許税の課税が複数回にわたる可能性があり、事業全体の課税負担が増える見込みだ。
藤沢市は、有機質資源再生センターの建設により、▽環境問題改善と畜産経営の安定化▽環境保全型農業の推進▽ごみの減量化▽宮原耕地の活性化―などを期待。畜産農家14者とたい肥などを販売するJAとの連携により、家畜ふん尿の再資源化を促す。
畜産農家が処分する家畜ふん尿は年間約8400トン、生ごみは年間約2920トン。また植木農家が処理するせん定枝は年間約4800トンで、うちたい肥原料として年間約4400トンを見込んでいる。

メディア掲載・書籍
メディア掲載
書籍