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情報化時代のキーワード
~次世代高速通信のゆくえ~

出典:日本経済新聞社「日経フレッシャーズ大事典」 2000年3月

ポイント

◇I携帯電話の加入者数は爆発的に増加しています。
◇2001年には、世界標準の第三世代携帯電話が登場します。
◇市場再編が加速し、ライフスタイルの大変化が起こります。

●爆発的に増える加入者

 「いつでも、どこでも、だれとでも」簡単にコミュニケーションできる手段として、携帯電話は若者層を中心に急速に普及し、そのライフスタイルに大きな影響を与えています。一般的に、1980年代の音声通信中心のアナログ方式を「第一世代」、現在の携帯電話で広く利用されているデジタル方式を「第二世代」の移動通信システムと呼んでいます。
 加入者数は急速に増加しており現在の固定電話の加入者数を追い越すのはもはや時間の問題です。1999年に入ってから、NTTドコモが、銀行口座の残高照会や振込サービス、生活情報を提供する「iモードサービス」を開始し、その契約台数は既に300万人を突破しています。また、IDOのcdmaOne方式は、固定電話なみの音声品質を売りに急速に台数を伸ばしており、2000年3月には450万から500万加入数に達する見通しです。 

【図表1】 iモードの通信システムのしくみ 

 

(出所)NTTドコモ 

●次世代高速通信の特徴

 さて、続く「第三世代(次世代)」の携帯電話はどうなるのでしょうか。
 外資を含む通信各社、メーカー各社等の熾烈な競争の中で、現在の音声通信だけでは、すでに市場が飽和状態にあります。これからは音声以外の画像・映像を含むデータを中心とした、デジタル通信の伸びにかかっています。1980年代から1990年代の量的な市場拡大から、次世代の高速通信による質的な変貌の時代を迎えることになります。
 現在、2001年度の実用化を目指しているのは、「IMT-2000」と呼ばれる第三世代の移動通信システムです。第一世代であるアナログ方式では国内外でさまざまな方式が乱立し、現在のデジタル方式でも、日本ではPDC、欧州ではGSM、アメリカではTIA標準という3つの方式が共存しています。
 今後IMT-2000が目指すのは、国際標準化された無線インターフェイスと、固定電話なみの高品質性、そしてデータ通信や画像通信ができるモバイルサービスの実現です。これにより、携帯電話は「マルチメディア化」「パーソナル化」「インテリジェント化」の方向へ進化していくでしょう。  

●新たな市場を創出

 DDI、KDD、IDOの通信3社は、2000年10月の対等合併を発表しています。これには巨大な「第三携帯電話」市場への覇権を握ることをねらったものです。
 次世代携帯電話での高速通信には、インターネットとの連携によって、移動通信市場の拡大に加え、新たな市場が創出される期待が高まっています。すでに一部の携帯電話では、ビジネス情報端末として、外出先から社内情報にアクセスしたり、イントラネット内の電子メールを見たりすることが可能になっています。 

【図表2】 日本におけるデジタル携帯電話の動向概観 

 
(出所)日本総合研究所 ネット事業戦略クラスター(現ICT経営戦略クラスター)


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