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情報化時代のキーワード
~企業情報システムの革新~

出典:日本経済新聞社「日経フレッシャーズ大事典」 2000年3月

ポイント

◇ITの戦略的な活用が、生産性の抜本的な向上をもたらします。
◇市場の声を吸い上げることで、企業の活路が見えてきます。
◇組織内ナレッジの活用が、今後の企業競争力の鍵を握ります。

●生産性向上を目指して導入

 日本経済は不況から脱却できないまま2000年を迎えました。一方、米国では1997年を境に株価が大幅な上昇を続けていいます。
 この差は米国企業でのIT(情報技術)活用による業務システムの革新、すなわち「BPR」(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)のもたらした、企業業績の向上が大きな要因です。
経済・産業の構造変化が起こっている日本では、生産性の向上を目指して、これまで日本企業が得意としてきた「管理型経営」から脱却し、IT活用による「戦略型経営」を目指す企業システムへの革新が求められています。
 なかでも、製品・サービスを顧客へ供給する際の「調達→製造→物流→販売」といった流れの各段階において、ITを用いて管理する「SCM」(サプライ・チェーン・マネジメント)という経営手法が注目されています。
 自社内もしくは社外との情報共有においては、インターネットの活用が大きな役割をはたします。社内情報の共有・交換のためのネットワークシステムを「イントラネット」と呼び、このシステムを社外の取引先や提携先等まで拡大したものを「エクストラネット」と呼びます。 

●ユーザーの声を吸い上げる

 顧客や市場へ直結した戦略的マーケティングや市場の声を生かした商品企画・設計も重要になってきます。
 戦略的マーケティングでは、多様化する顧客一人ひとりのニーズに合わせた商品の企画・設計を目指す「ワン・トゥ・ワン・マーケティング」が注目されており、ここでもITの活用が大きな役割を果たします。
 CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)では、ITを活用して、顧客情報を管理し、個々の顧客に最適なサービスを提供することを目指します。、蓄積された膨情報を分析、整備することにより、製品・サービスを一人ひとりの顧客に低コストで提供することが可能となり、長期的な信頼関係をくことができます。 

●組織の知恵を活用する

 個々人が持っている情報・知識を組織で共有し、組織全体の知恵として使いこなそうという最近の経営手法に「ナレッジマネジメント」があります。先行する米国企業のでは、ナレッジを質・量ともに向上させ、新たな価値創出の能力を高める努力を行っています。組織の知恵を活かし、顧客へ適切なサービスを提供するために、ITを用いたしくみを作り上げ、継続的に発展させていくことが重要です。   
 

【図表】 IT活用による企業システム  

 

(出所)日本総合研究所 ネット事業戦略クラスター(現ICT経営戦略クラスター)

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