欧州中央銀行の金融政策
- 著者
- 河村小百合(調査部)
- 出版社名
- 金融財政事情研究会
- 出版日
- 2015年1月
- 価格
- ¥2,800+税
世界的な金融危機、欧州債務危機、そして低インフレ懸念の高まり…
世界でもっとも独立性の高い中央銀行の一つである欧州中央銀行が、他の主要中銀とは一線を画した政策運営を行ってきているのはなぜか
EU28カ国、ユーロ圏19カ国という多様な国家、多様な国民を束ねて政策運営を行う欧州中央銀行は、いかにして課題を分析し、議論を積み上げて、政策運営を行っているのか
主要目次
- 第I部 欧州中央銀行の歴史と金融政策運営――「危機」前はいかなる状況にあったのか
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第1章 歴史と欧州共同体における位置づけ
- 1 欧州経済・通貨統合の経緯
- 2 欧州中央銀行の欧州共同体における位置づけ
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第2章 欧州中央銀行の組織
- 1 欧州中央銀行制度とユーロシステムの構造
- 2 欧州中央銀行制度およびユーロシステムにおける意思決定機関
- 3 欧州中央銀行における意思決定の実際
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第3章 金融政策運営の目標
- 1 欧州中央銀行の金融政策運営の基本的な目標――物価の安定
- 2 欧州中央銀行の金融政策運営戦略
- 3 「最後の貸し手」機能の考え方
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第4章 金融政策運営の実際
- 1 金融政策オペレーションの枠組み
- 2 金融調節のメカニズムと手段
- 第II部 「危機」と欧州中央銀行――欧州債務危機にいかに対処し、いかなる金融政策運営を講じているのか
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第5章 世界的な金融危機・欧州債務危機と欧州中央銀行
- 1 危機の流れと主要な出来事――概観
- 2 第1フェーズ:グローバルな金融危機――2007年8月のサブプライム危機および2008年9月のリーマン・ショック以降
- 3 第2フェーズ:ギリシャ危機――2010年5月、ユーロ圏のソブリン債務危機の発生
- 4 第3フェーズ:ソブリン債務危機と銀行危機が「負の両輪」に――2011年半ば以降、ユーロ圏のソブリン債務危機と銀行セクターのゆがみが相まっての再度の緊迫化
- 5 第4フェーズ:ギリシャの二度にわたるデフォルトとユーロ離脱の危機
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第6章 非標準的手段による金融政策運営の内容
- 1 収束に向かった欧州債務危機――2013年入り後の状況
- 2 新たな課題:経済の低インフレ化への対応
- 3 欧州中央銀行が打ち出した、新たな「非標準的手段」による金融政策運営
- 4 欧州中央銀行による非標準的手段による政策運営の考え方――他の主要中銀との比較