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ケアマネジメント詳細検討結果に基づく新様式(案)等の活用に関する実証事業

2013年06月06日 齊木大


*本事業は、平成24年度老人健康保健増進等事業として実施したものです。

事業目的
 平成23年度に実施したケアマネジメント詳細検討結果で明らかになった課題を踏まえ、ケアマネジメントの水準を向上させるため、新様式(案)等の具体的な活用方法の実証を目的とした。

事業内容
(1)研修テキスト作成
 中央研修講師の助言を踏まえ、記載例(2例)の紹介を含む、課題整理表(仮称)および評価表の記載方法に関する研修テキスト(のべ約30頁)を作成した。テキストは、全てのブロック研修で共通して使用した。

(2)実証に向けたブロック指導者の育成(中央研修)
 全国6ブロックのそれぞれについてブロック指導者(各ブロック2~3名、計17名)を選定し、平成24年9月1日~2日の2日間、アジュール竹芝(東京都港区)にて中央研修を実施した。本研修では、課題整理表(仮称)および評価表の活用に関する研修に加え、各講師によるブロック研修の進め方の指導、質疑応答を併せて実施した。

(3)実証に向けた新様式(案)の活用研修(ブロック研修)
 中央研修を受講した講師が説明役となり、のべ11回の研修会を開催した。各回に参加した介護支援専門員(新様式(案)の実証に参加した介護支援専門員)の数は以下の通りであった(計281名/講師除く)。
 ・北海道・東北ブロック:9月29日(土)17名、10月28日(日)37名
 ・関東ブロック: 10月8日(月・祝)42名、10月14日(日)24名
 ・中部・北陸ブロック: 10月6日(土)10名、19日(金)28名
 ・関西ブロック: 9月30日(日)37名
 ・中国・四国ブロック: 9月14日(金)25名、9月19日(水)21名
 ・九州ブロック: 9月18日(火)10名、9月20日(木)30名

(4)研修成果のとりまとめ
 上記(1)~(3)の実施結果を踏まえ、研修成果をとりまとめた報告書を作成した。

事業結果
 研修の効果として、第一に現場の介護支援専門員にとって新様式(案)の必要性に対する理解が進んだことが挙げられる。書式を新たに追加することは業務負担を増やしてしまう。しかし、地域包括ケアの実現のためには多法人・多職種間の連携が必要であり、その連携を円滑に進めるためには共通の書式が有効であるということへの理解が得られた。
 また、研修で使用した書式を前提とすれば、研修テキストの妥当性が確認できた。ブロック研修は午前中が説明(座学)、午後が演習(個人およびグループワーク)の構成としたが、参加者の大半が演習を円滑に進めることができていたことからも、説明に用いた研修テキストが妥当であったと評価できる。ただし、業務経験年数の短い介護支援専門員の中には、そもそも情報の収集と分析に不慣れであるために演習が進まないといった状況も見られた。
 今回のブロック研修は、日本介護支援専門員協会を通じ、居宅介護支援事業所からの立候補方式で参加者を募ったため、業務経験年数が比較的長い介護支援専門員が多く参加した傾向がある。したがって、今後の課題として、業務経験年数が短く、情報の収集と分析に十分習熟していない受講者に対しては、アセスメントに関する振り返り学習を含め、演習の時間を多く取る必要がある。
 なお、研修テキストでは記載例(事例)として2例を掲載したが、「自分が現に担当している利用者とは状態像が大きく違う」ために、理解が進まないといった指摘もあった。したがって、今後の実証的活用の結果を踏まえつつ、要介護度だけでなく、疾患や家族との同居の状況、認知症の程度等を踏まえてより多くの記載例(事例)を整理し、テキストに加筆する必要がある。

※詳細につきましては、下記の報告書本文をご参照ください。
報告書:ケアマネジメント詳細検討結果に基づく新様式(案)等の活用に関する実証事業

本件に関するお問い合わせ
総合研究部門: 齊木 大
TEL: 03-6833-5204   E-mail: rcdweb@ml.jri.co.jp
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