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肥満症治療の重要性と治療を取り巻く課題レポート

2026年02月17日 徳永陽太、辻恵子、土屋敦司、向田慶輝、野崎雪乃


 本レポートは、日本総合研究所が肥満対策と肥満症治療の重要性を整理し、現状の課題と解決策を提示するものである。肥満はBMI≧25を指し、肥満症は肥満に起因または関連する健康障害を合併し医学的減量が必要な病態と定義される。内臓脂肪蓄積は糖尿病・脂質異常・高血圧・心血管疾患・肝疾患・睡眠障害・運動器疾患など多様な合併症を招き、減量により多くの臨床アウトカムが改善する。肥満の有病率は男女で高く、経済的損失も大きい(2019年で約7.6兆円、2030年には増加推計)。

 一方で課題は多岐にわたる。社会全体に「自己責任」論やスティグマが根強く、肥満症の認知も低い。特定健診はメタボリック症候群に着目しており、肥満症のすべてを拾えないため見逃しが生じる可能性がある。治療面では基本となる食事・運動・行動療法の実施に専門性と人的・時間的資源が必要であり、専門施設や専門人材は不足している。外科療法は適応が限定的で実施例は少ない。近年、GLP-1受容体作動薬など有効性の高い薬剤が登場したが、薬剤の処方には厳格な施設・医師要件が課され、保険上の診療報酬も整備されておらずアクセスが制限されている。

 これらを踏まえ、産学官連携での包括的対策を6項目で提案する。①国民向けの疾患啓発とスティグマ解消、患者支援コミュニティの整備、②かかりつけ医への教育・研修や診療報酬の導入による対応力向上、③特定健診の項目・スクリーニング強化による早期発見、④健診から専門治療までの明確な治療パス整備(専門医連携やデジタルヘルス活用含む)、⑤肥満症治療可能施設と多職種チームの拡充、⑥薬剤や治療法の中長期的効果・コスト効果を示すリアルワールドエビデンス構築によるアクセス拡大のためのエビデンス整備、これらを総合的に進めることで、地域・年齢・社会的背景に関わらず、適切で公平な肥満症治療の提供を目指す。

協賛:日本イーライリリー株式会社

<本提言の帰属>
 本提言は、株式会社日本総合研究所リサーチ・コンサルティング部門ヘルスケア・事業創造グループが、中長期的な観点から社会貢献をしたいとの考えから、公正・公平な視点を心がけた上で意見を取りまとめ、提示するものである。

※詳細につきましては、下記のレポートをご参照ください。
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