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排出権付き商品で社会を変えよう

2008年07月29日 熊井 大


 近頃、カーボンオフセットという言葉が、多くのメディアで見かけるようになった。カーボンオフセットとは、「日常生活や経済活動において避けることができないCO2等の温室効果ガスの排出について、[1]まずできるだけ排出量が減るよう削減努力を行い、[2]どうしても排出される温室効果ガスについてその排出量を見積り、[3]排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資すること等により、排出される温室効果ガスを埋め合わせるという考え方」と環境省は定義している。

 私は、カーボンオフセットが今の広まりをみせる前に、「排出権取扱商品の開発に向けて」というコラムを日本総研のホームページに掲載した。当時、私は排出権を取り扱う商品が、近い将来多く出てくるだろうと考え、ビジネスとして成立させたいのであれば、マーケティングをきちんとすべきだという主張したかったので、コラムを執筆した。最近の私は、「カーボンオフセットと排出権付き商品は異なるのに、同じように扱われている」ことが大変気になってならない。

 カーボンオフセットとは、前出の通りであり、私の認識では、日本国内においては、カーボンオフセットプロバイダーのビジネスが主だと考えている。新聞等で最近取り上げられているカーボンオフセット商品は、ライフサイクルCO2を加味した、本当にカーボンオフセットの商品であることもあるが、「排出権が付いているだけの商品」であることも多く、それらは「排出権付き商品」だと考える。

 なぜ、企業が排出権付き商品をカーボンオフセット商品と名乗りたがるのかというと、どうしても、排出権という言葉にネガティブなイメージを持つ消費者がいるということであろう。排出権付き商品は、「世界全体の環境改善に向けた寄付付き商品」であるのに、このような状況になってしまっているのは、私としては残念な状況と言わざるを得ない。

 前置きが長くなってしまったが、「排出権付き商品で社会を変えよう」というその心は、「社会全体で環境負荷が改善することを目指した排出権付き商品については、積極的に消費者も購入すべきではないか」ということである。

 具体的には、カタログに排出権を付けて、カタログの製造・流通にかかる環境負荷を企業が負担しつつ、できればインターネットを使って購入する方向に消費者を誘導したり、インターネットで保険を購入した場合、無駄な契約用紙などが必要ないので環境負荷が低く、それを奨励するため、企業が植林に寄付することで契約者を誘導する商品が開発されているが、消費者は企業のその考えに賛同し、積極的にそのような商品を購入することは良いことではないだろうか。今後、このような多様なアイデアを有する排出権付き商品の普及展開を私は期待している。
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