「ロムフェ(RoMFE)法」による実現時期と市場規模の予測
▼▼▼ 「ロムフェ(RoMFE)法」による実現時期と市場規模の予測① ▼▼▼ | |||
● |
個人判断法、エグゼクティブ陪審法、外挿法(成長曲線)、デルファイ法(普及時期中心)、クロスインパクト法の利点を組み合わせた、日本総研の独自手法である「ロムフェ(RoMFE:Rosy Markets Forecasting by Experts)法」の概要を示す。 | ||
【図表】 予測手法の分類と適用領域およびロムフェ(RoMFE)法 | |||
(注) | 『計画策定と意思決定のための予測手法入門』(スピロース・マクリダキス氏、スティーブン・C・フィールライト氏著)に加筆・修正。「●印」:当てはまるという意味。「予測方法での赤色(濃い)領域」:未来予測に基づく有望市場の探索と長期的R&D課題の抽出の目的に適うもの。「ロムフェ(RoMFE)法」:Rosy Markets Forecasting by Expertsの略。主に個人判断法、エグゼクティブ陪審法、外挿法(成長曲線)、デルファイ法(普及時期中心)の利点、クロスインパクト法を組み合わせた日本総研の独自手法。 | ||
(出所) | 日本総合研究所 ICT経営戦略クラスター作成[2003年6月] | ||
▼▼▼ 「ロムフェ(RoMFE)法」による実現時期と市場規模の予測② ▼▼▼ | |||
● |
【ロムフェ法実施フロー】ロムフェ法により、次のような4つのステップに従い、有望市場の探索と長期的R&D課題の抽出を行う。 | ||
◇ | ステップ【1】: | ||
海外特に米国の大統領府科学技術政策局・国家重要技術についての分類を参考に「7分野」(32区分)の市場領域を概観する。 | |||
◇ | ステップ【2】: | ||
その区分ごとに5テーマを選定し、ウォンツ(ユーザーの意識化されていない欲求)を主に計160ほどの市場領域をピックアップ。ここまでは、日本総研チームのほか、外部7名ほどのエキスパートボードの知見および既存関連データ(各種報告書、実施済みアンケート結果等)を活用。 | |||
◇ | ステップ【3】: | ||
7分野ごとに3人ずつ(例:大学・国研1名+企業2名)の計21名ほどの外部エキスパートの知見を援用しつつ、デルファイ法を参考に、各市場領域の技術発展性を描出する。これを2回または3回繰り返すことで、予測の精度を上げていく。 | |||
◇ | ステップ【4】: | ||
ロムフェ法による市場規模算定表により結果を得る。 | |||
【図表】 ロムフェ法実施フロー | |||
| |||
(注) | 「ロムフェ(RoMFE)法」:Rosy Markets Forecasting by Expertsの略。主に個人判断法、エグゼクティブ陪審法、外挿法(成長曲線)、デルファイ法(普及時期中心)、クロスインパクト法の利点を組み合わせた日本総研の独自手法。「7分野」:海外特に『米国大統領府科学技術政策局・国家重要技術報告(1995年)』を参考とする。 | ||
(出所) | 日本総合研究所 ICT経営戦略クラスター作成[2003年6月] | ||
▼▼▼ 「ロムフェ(RoMFE)法」による実現時期と市場規模の予測③ ▼▼▼ | |||
● |
【ロムフェマトリクス】デルファイ法では時間軸(技術等の実現時期)のみに中心が置かれるが、時間軸(有望市場の成長段階)と有望市場の規模を両軸にとる「ロムフェ・マトリクス」では、技術等の実現時期に加え、市場規模までも特定。同マトリクスでは、エキスパート1と同2による知見が援用されることを前提としている。 | ||
◇ | エキスパート1の知見: | ||
主に大学・国研(国の研究機関)や企業の研究所などのエキスパートを主とする「個人判断法」を適 用。従って、各エキスパート間の情報のやり取りは遮断され、各人が独立して予測を行うものとする。 | |||
◇ | エキスパート2の知見: | ||
技術マネジメント専門家(経営コンサルタント、MOT教授等)を中心に、市場性(市場規模など)に関し、「個人判断法」に加え、各エキスパートが同じテーブルで意見を調整する「エグゼクティブ陪審法」(日本総研プロジェクトチームと日本総研社内メンバー等を主にMOT教授らと相談)を用いる。また、市場規模の算定には、過去の類似市場の推移などを外挿する「外挿法」の適用も考慮。 | |||
【図表】 ロムフェマトリクス | |||
(注) | 「ロムフェ(RoMFE)法」:Rosy Markets Forecasting by Expertsの略。主に個人判断法、エグゼクティブ陪審法、外挿法(成長曲線)、デルファイ法(普及時期中心)、クロスインパクト法の利点を組み合わせた日本総研の独自手法。「○印」:当該時期での市場規模の大きさイメージ。「【】内表記」:当該ポジションまでの経路(パス)を示し、最後部の下線がその最終到達点を示す。 | ||
(出所) | 日本総合研究所 ICT経営戦略クラスター作成[2003年6月] | ||
▼▼▼ 「ロムフェ(RoMFE)法」による実現時期と市場規模の予測④ ▼▼▼ | |||
● |
【ロムフェ・マトリクスと市場形成の必然性を決定するダイヤモンドフレームワーク】 ロムフェ・マトリクスで有望市場の成長の推移を分析する際、その成長または他市場を代替するドライバーを考慮することが重要である。そのドライバーの影響分析には、ある種の「クロスインパクト法」に加え、「ダイヤモンドフレームワーク」を用いる。 | ||
◇ | 「クロスインパクト法」: | ||
一連の開発事項とそれらが未来のある時期までに完成する推定確率などを考慮する技術予測手法の一つ。まともにこの手法を適用すると複雑になるため、当プロジェクトではその代替ドライバーに関し、その代替率をその時点の関連市場に対するクロスインパクト率とみなす。 | |||
◇ | 「ダイヤモンドフレームワーク」: | ||
マイケル・ポーター教授が国または産業の競争優位性を説明するのに用いている、同種のフレームワークのうち特に、「需要」と「関連・支援産業」そして「要素技術(シーズ、規制)」を重視し、これらを「市場形成の必然性」の基本要素とする。 | |||
★ |
さらに同フレームワークのうち、特に「競争・企業戦略」と「要素技術(独自技術、他資源等)」は、NTTが勝ち組となるための十分条件になるもの。 | ||
【図表】 ロムフェ・マトリクスと市場形成の必然性を決定するダイヤモンドフレームワーク | |||
| |||
(注) | 「ロムフェ(RoMFE)法」:Rosy Markets Forecasting by Expertsの略。主に個人判断法、エグゼクティブ陪審法、外挿法(成長曲線)、デルファイ法(普及時期中心)、クロスインパクト法の利点を組み合わせた日本総研の独自手法。「○印」:当該時期での市場規模の大きさイメージ。「ダイヤモンドフレームワーク」:米マイケル・ポーター教授の『国の競争優位』を参考にした。 | ||
(出所) | 日本総合研究所 ICT経営戦略クラスター作成[2003年6月] | ||
| |||
|