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IP電話とは何か?


▼▼▼ IP電話とは何か?① ▼▼▼

IP電話には、中継網に主にインターネットを用いる「インターネット電話」を指す場合もあるが、2002年前後に登場したものは、中継網に専用IP網を用いることで、帯域保証型の品質面を重視したものとして注目を集めている。

【図表】 IP電話の特徴

(出所)日本総合研究所 ICT経営戦略クラスター[新保2002]


▼▼▼ IP電話とは何か?② ▼▼▼

IP電話では、「分散型IP網システム」の仕組みにより、送り手の音声情報がパケットというデータの塊りとして、その中のヘッダー(あて先情報)を頼りに伝送回線の空き経路を選んで、受け手にパケットが運ばれ、そこで音声情報となるよう並び替えられる。このプロセスを通じ、通話が可能となる。

従来の「中央管理型電話システム」に比べ、品質面では若干劣るなどの点はあるものの、コストが大幅に下がるなどの特徴をもっている。

一般消費者向けに加え、企業内での電話システムの代替という点においても、大きな注目を集めている。


【図表】 電話システムと分散型IP網システム

(出所)日本総合研究所 ICT経営戦略クラスター[新保2001]


▼▼▼ IP電話とは何か?③ ▼▼▼

IP電話サービスは、様々なものが提供されている。その多くは、「PC to PC」の形態、即ちパソコン同士の通話に限定されているが、2001年になってからは「PC to Phone」の形態のものが、そして、2202年には大手企業(赤字下線)による「Phone to Phone」のものが増え、一般電話機への発信も可能なサービスが登場している。

中でも、YahooBB!の「BB Phone」は価格破壊的なサービスとして注目を集めている。

さらに、2002年秋を目処に、IP電話の番号問題が解決されるようになれば、一般電話機からIP電話機への着信も可能となり、通常の電話と一般の通話機能に限れば、ほとんど変わらないような状況ができる。


【図表】 IP電話サービスの比較

(出所)「ネットランナー」2002年6月号他資料に加筆[新保2002]

▼▼▼ IP電話とは何か?④ ▼▼▼

「Phone to Phone」形態のIP電話では、一般電話機と遜色のない品質と操作性を持つに至り、固定電話市場に対する大きなインパクトを与えること必死の状況となってきた。

従来のダイアルアップ接続によるアクセス手段は、ADSLユーザーの急増とともに常時接続を前提に、IP電話を使用できるようになってきた。

格安の料金の実現は、伝送網にダークファイバー網(敷設されているものの、まだ使用されていない光ファイバー)が安価に利用できるようになったこと、IP通信が高価な交換機を使用する必要がなく、低価格のIP機器で実現できることなどの理由による。

2000年末にはNTTがダークファイバの解放に踏み切ったほか、自治体が所有する「下水道光ファイバ」といった地域インフラや、一部の電力会社などのダークファイバはすでに芯線貸しが開始されている。


【図表】 従来と最近のIP電話の相違

(出所)各種公表資料から日本総合研究所 ICT経営戦略クラスター作成[新保2002]