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全社CRM導入推進アプローチ


▼▼▼ 全社CRM導入推進アプローチ① ▼▼▼

背景

大手IT事業者A社は、サービス及びプロダクツの開発と提供において、営業主管事業部を顧客層別の組織(コンシューマー事業部、ビジネスユーザー事業部など)とするとともに、各サービスについてはこれら事業部内部組織、もしくは別事業部としてサービス別に組織を構成し、サービス受付から提供までの業務手順及び業務サポートシステムをサービス別に構築してきた。

しかしながら、現状の厳しい経営環境を見ると、サービス別に乱立している業務手順及び業務サポートシステムでは、顧客のリテンションの実現が困難な状況になりつつあるとの認識を持っている。
目的

顧客に対する全社的なCRM戦略を策定し、それを実現するための業務プロセス改革および情報システム構築。
プロジェクトの内容と取り組み手順 

各タスクの関連は次の通りであり、各タスクでの成果を相互に十分反映させることが重要となる。




【図表】 フェーズ1からフェーズ3までのプロジェクト全体のフロー

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(注) 「As-IS」:現在の状態・状況のこと。「To-Be」:あるべき状態・状況のこと。「FIT & GAP」:比較対象間のフィッティングやギャップ分析のこと。
(出所) 日本総合研究所作成[2002年9月]


▼▼▼ 全社CRM導入推進アプローチ② ▼▼▼

【タスク1A】CRM戦略の策定:分析・評価イメージ①

フェーズ2での実現環境の前に、フェーズ1では個別アイデアを抽出するなどを通じ、CRM戦略を策定する。


【図表】 CRMに関する業務・機能の検討モデル

(出所) 日本総合研究所作成[2002年9月]


▼▼▼ 全社CRM導入推進アプローチ③ ▼▼▼

【タスク1A】CRM戦略の策定:分析・評価イメージ②

具体的な取組み事項を通じ、CRM戦略の重点課題を抽出する。


【図表】 CRM戦略の重点課題を明確にするための確認等の事項

(出所) 日本総合研究所作成[2002年9月]


▼▼▼ 全社CRM導入推進アプローチ④ ▼▼▼

【タスク1A】CRM戦略の策定:分析・評価イメージ③

CRM戦略及び業務分析や業務改革を進めるには、KGI(Key Goal Indicators)を明確にしておく。


【図表】 CRMの重要指標の決め方

(注) 「BSC」:バランススコアカードのこと。
(出所) 日本総合研究所作成[2002年9月]


▼▼▼ 全社CRM導入推進アプローチ⑤ ▼▼▼

【タスク1C】フェーズ2の計画書作成イメージ

本作業では、フェーズ1のCRM戦略の仮説設定およびAs-Is分析を踏まえて、フェーズ2作業の検討枠組み、全体計画を策定する。

To-Beモデル策定については、CRM戦略およびAs-Is分析の結果を考慮して、A社において設定すべきモデルの水準、システム方針、課題スコープを検討する。


コンシューマ向けCRM業務支援システムの方針


法人企業向けCRM業務支援システムの方針

Fit&Gap分析、システムアーキテクチャーの検討、パッケージ選定の検討についても、上記のシステム方針を前提として作業の進め方を検討する。


【図表】 フェーズ1のシステム分析とフェーズ2の関係

(出所) 日本総合研究所作成[2002年9月]


▼▼▼ 全社CRM導入推進アプローチ⑥ ▼▼▼

【タスク1B、2A、2B】システムAs-Isの分析、To-Beモデルの策定、FIT&GAP分析イメージ
【タスク1B】システムAs-Is分析フロー
(1) 評価指標によるシステムアセスメント
CRMシステムの次の領域に関する評価指標(チェックリスト)を作成する。

顧客リレーション管理全般

マーケティング

セールス

サービス

採算管理

IS(情報システム)の開発、活用
評価指標に対して、A社の現状におけるCRM機能のマッピングを行うことにより、概況を把握する。
(2) 概観業務フロー作成
ソリューション事業部、ビジネスユーザ部、コンシューマ&オフィス部を対象として現行の業務に関する概観業務フローを作成する。

当フローにより、プロセスおよび主要データの流れを把握することが可能である。

必要に応じて個別業務フローを作成する。

当作業は、先行するプロジェクト(オペレーションシステム再構築プロジェクト、第1次CRM推進プロジェクト、顧客データベース統合プロジェクト等)の成果物や既存の事務フロー資料等を活用することによって効率化を図る。

【タスク2A】システムTo-Beモデル策定フロー
当作業では、To-Be分析により、A社におけるCRMシステムの理想型(あるべき姿)を設定し、コンシューマ向け、法人企業向けCRMの導入目的の明確化、導入効果の目標設定を行う。
As-Is分析のシステムアセスメント評価指標において達成すべき水準を設定する。

As-Is分析で抽出された課題・問題点のうち、CRM導入によって解決すべき範囲を明確化する。

また、As-Is分析結果および経営戦略、CRM戦略、理想型モデル(先行事例、パッケージ等の機能、運用)等からA社にとっての重要課題を抽出し、CRM導入によって実現を目指す導入効果の目標設定を行う。

【タスク2B】システムFit&Gap分析フロー
システムFit&Gap分析フローの位置付けと、実施得る検討内容は次の通りである。
戦略・業務別

コンシューマ向けCRM戦略Fit&Gap分析

コンシューマ向けCRM業務Fit&Gap分析
システム別

コンシューマ向けデータモデルFit&Gap分析

コンシューマ向けプロセスモデルFit&Gap分析
CRMパッケージの検討

コンシューマ向けCRMパッケージ(Siebelなど)のパッケージ機能における、To-Beモデル相当の機能を参照するなどし、As-Isとの比較・分析を行う。

例えば、次のようなことも考慮する。


パーソナライゼーション機能

「ルールエンジン」と「協調フィルタリング」の両機能を装備したもの(最近の主流)

これにより、インサイトドリブンCRMが実装可能

なお例えば、、日本シーベル「Siebel 7」(2002年1月出荷)では、CRMソフトの導入支援・教育サービスを、顧客企業に直接提供する体制に変更。


社員の生産性を向上させるためのERM(Employee Relationship Management)モジュールを追加。


【図表】 システム分析フローの位置付け

(出所) 日本総合研究所作成[2002年9月]


▼▼▼ 全社CRM導入推進アプローチ⑦ ▼▼▼

【タスク2C】システムアーキテクチャーの策定イメージ


【図表】 システムアーキテクチャーの策定

(出所) 日本総合研究所作成[2002年9月]


▼▼▼ 全社CRM導入推進アプローチ⑧ ▼▼▼

【タスク3A】システム導入に関する全体計画の策定イメージ

目的


CRMシステムの構築・移行のための全体計画の作成を行う。

内容


As-Is分析結果、To-Be分析結果(システム要求仕様)を踏まえ、システム化範囲、システム構築を行う。手順、移行手順、開発スケジュール、推進体制、導入費用概算等の全体計画を作成する。


関連のプロジェクトが並行して進行していることから、プロジェクト間の関連性や整合性、円滑な移行に留意する。


【図表】システム導入に関する全体計画概観

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(出所) 日本総合研究所作成[2002年9月]


▼▼▼ 全社CRM導入推進アプローチ⑨ ▼▼▼

【タスク3B】システム導入に関する個別計画の策定イメージ

目的


CRMサブシステムの構築・移行のための個別計画案の作成を行う。

内容


全体計画を踏まえ、個別のサブシステムについての開発計画を作成する。





CRMシステムの内容


CRMサブシステムの目的


全体計画との関連


対象業務、機能


システムの構成


主要実現機能と効果


データベース構成


ネットワーク構成


他システムとの関連





システム開発計画


開発スケジュール


移行スケジュールと手順


組織・業務の変更


導入費用と効果(ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク他)


推進体制


【図表】 CRMシステム/サブシステムのイメージ例

(出所) 日本総合研究所作成[2002年9月]