政策センシング
■2012年11月第2週(2012/11/5~11/11)の動き(報告:佐々木努)
□エネルギー分野
7日に4カ月ぶりに電力システム改革専門委員会が開催され、発送電分離や卸電力市場の活性化、先行的に実施する制度改革の3点を中心に議論が行われた。発送電分離を巡っては、事務局より機能分離と法的分離の両方式の内容が提示され、「複数の委員が、厳格な行為規制を前提とする法的分離を支持」(電気新聞、2012/11/18)する形となった。また、急な制度変更で事業者間に有利・不利が生じる可能性があることや、「電力品質を確保し、コスト上昇を抑制できる手法を時間をかけて検討するべきだ」(電気新聞、2012/11/18)との意見もあり、今後さらに議論を深めることとなった。卸市場の活性化については、部分供給と常時バックアップ、系統情報の公表の3点について考え方や実施方法が示された。また、電力業界も自主的取り組みとして370億kWh以上の売り入札の目標(365日24時間平均的に市場投入するとすれば420万kWの供給力に相当)を表明し、委員からは一定の評価がなされた。
□気候変動分野
6日に排出削減ポテンシャルを最大限引き出すための方策検討会が開催された。前回までの議論を踏まえ、CO2排出削減対策を誘引するための政策手法として“省エネ・省CO2診断”、“削減対策情報の提供”、“機器等情報の提供”、“補助制度”、“認定制度”、“水準値の情報提供等”、“規制的・経済的手法”の7つにまとめた。補助制度では、稼働状況を確認したうえでの補助金の支給や従来設備からの削減率の採択基準化、設備の老朽度合に応じた補助率などの施策例が示された。また、規制的・経済的手法では排出量取引制度を明示するとともに、「エネルギー供給事業者に省エネ目標を課すサプライヤーオブリゲーション」(ガスエネルギー新聞、2012/11/14)も例示された。今後、これらの結果を踏まえてユーザーアンケートと事業者ヒアリングを実施し、年度内にも分析結果をまとめるスケジュールを示した。