コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

コンサルティングサービス

政策センシング

■2012年6月第1週(2012/06/04~06/10)の動き(報告:佐々木努


□エネルギー分野

 4日に開催された電気料金審査専門委員会ではコストの4割強を占める燃料費の妥当性を中心に審議された。燃料調達における工夫を求める意見が示される一方で、東京電力からは北米のシェールガスの調達計画を検討中であるなどの対応策が示された。また、設備調達における競争入札の拡大も議論され、今後さらに分科会を設置して取り組みを推進することが紹介されたほか、購入・販売電力料に関しては「卸電力取引所を適切に活用しているのか情報を出すべき」(電気新聞、2012/6/5)という意見や、発電所ごとの限界費用を示すべきといった意見が出された。

 5日には基本問題委員会が開催され、環境省の中央環境審議会より要請のあった2020年時点の原発比率が示された。2020年の原発比率は、2010年の実績値と2030年の各選択肢の目標値を線形補完した値を示した。風力発電や地熱発電、コジェネについては期間後半に導入が伸びると想定し、2020年段階では中間値よりも低く見積もられている。今後は、化石燃料の動向や水素エネルギー、スマートコミュニティなどの論点を取り扱う予定とした。

 8日に開催されたエネルギー・環境会議では、総合資源エネルギー調査会、中央環境審議会、原子力委員会の各審議会での検討結果を踏まえ、選択肢に関する中間的整理(案)がとりまとめられた。6月中に選択肢を提示し、7月にはそれを踏まえた国民的議論を行い、8月に革新的エネルギー・環境戦略を決定するスケジュールも示された。選択肢は“安心・安全”や“エネルギー安全保障”、“エネルギーコスト上昇”、“地球温暖化”などの7つの視座をベースに、2030年の原発比率で3案(0%、15%、20~25%)を提示することが確認された。今後実施される国民的議論の方法については、「パブリックコメントや説明会だけでなく、『可能な限り対話型』」(国家戦略室)」(電気新聞、2012/6/10)とする方針を示している。



□気候変動分野

 8日に地球環境部会と2013年以降の対策・施策に関する検討小委員会の合同会合が開かれ、2013年以降の対策・施策に関する報告書(案)(地球温暖化対策の選択肢の原案)が大筋で了承された。最終的な選択肢原案の2030年時点の各パラメータは、(1)原発0%・(対策施策)高位強度・GHG25%削減、(2)原発0%(2020年0%)・高位強度・25%削減、(3)原発15%・中位強度・25%削減、(4)原発15%・高位強度・31%削減、(5)原発20%・中位強度・27%削減、(6)原発25%・中位強度・30%削減、とした。前回会合で示された原発比率35%のシナリオは削除された。また、会合ではLNG火力発電の依存度が増加する想定に対して「エネルギー安全保障や経済性の観点がほとんど考慮されていない」(環境新聞、2012/6/13)との異論も出された。
エコビズナビ(ECO Biz Navi)
エコビズナビ(ECO Biz Navi)
政策センシング
ナビゲーションコラム
ECOライブラリ

サービスに関する
お問い合わせ