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■2012年5月第4週(2012/05/21~05/27)の動き(報告:佐々木努


□エネルギー分野

 21日に基本問題委員会が開催された。2030年時点での原子力発電比率は0%、15%、20%、25%、35%、数値目標無しの6つの選択肢が示されているが、国民に示す選択肢としてはここから絞り込む方向で検討された。40年廃炉を踏まえた15%ケースを新設するなどの議論もなされた。

 23日には電力料金審査専門委員会が開催され、前回の会合で委員化から指摘された項目についての対応を検討する形で議論が進められた。調達に関しては随意契約を3年で3割削減するなどの対応が示された一方で、利益の9割を家庭向けで確保している実態が明らかになった。

 翌24日に開催された基本問題委員会では21日の会合で結論が出なかった2030年時点の原子力発電比率を0%、15%、20~25%、35%の4案とすることで決着した。懸案となっていた原発比率35%案については選択肢として残すべきとの意見もあったが、「『原発依存度を下げると政府が言っている以上、外すべきだ』という否定的な意見が多数を占めた」(朝日新聞、2012/5/25)ことから最終的には除外される見通しとなった。今後は、5月中に国家戦略室に提出した上で国民的議論が行われ選択肢を絞り込む流れとなる。



□気候変動分野

 23日に2013年以降の施策検討小委員会が開催され、2020年の日本国内の温室効果ガス排出量の試算結果が示された。基本問題委員会で検討されている2030年の原子力発電比率(0%、15%、20%、25%、35%)と再生可能エネルギーなどの施策の推進強度(高位、中位、低位)の30通りの組み合わせそれぞれで試算が行われた。原子力発電比率が0%のケースでは、2020年の排出量は最も削減が進んだ場合でも1990年比11%減とされ、2020年に1990年比25%減の中期目標の達成は厳しさを増している。今後は「国内排出削減と吸収源対策、海外での削減やクレジット購入に当たる国際貢献を組み合わせた中期目標の選択肢を6月上旬に決定」(電気新聞、2012/5/24)するとしている。

 また、京都議定書の次期国際枠組を議論する国連気候変動枠組条約の会合が、具体的な成果が乏しいまま閉幕した。COP17後初めて開催された公式協議の場であったが、先進国と新興国が対立する構図に変化はなく、2015年までの作業計画の検討は先送りされ、京都議定書の延長期間についても意見の集約には至らなかった。
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