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ビューポイント No.2026-025

米中ワシントン首脳会談にみる「対立の管理」 ―通商休戦の延長と長期競争への備え―

2026年09月29日 福田直之


米国のトランプ大統領と中国の習国家主席は9月24日、ワシントンで首脳会談を開いた。両国は、追加関税や輸出規制の緩和・停止を定めた「釜山合意」の期限を2027 年1月10日まで2か月延長した。また、各方向約300億ドルの非機微品(安全保障上の厳格な管理を要しない品目)について、対象品目リストを承認した。

通商以外でも、対立を抱えながら協力可能な分野を探る姿勢がみられた。半導体やレアアースの供給を左右する規制は残る一方、人工知能(AI)では不測の事態に関する連絡経路の設置で合意した。安全保障面では、米国の駐中国大使が台湾政策に変更はないと説明し、イラン問題では米中両国が、イランの核兵器保有を認めないことなどを確認した。

こうした「対立の管理」は、競争の終息を意味しない。貿易の維持や危機管理が摩擦そのものを抑える側面がある。ただし、両国は対話・危機管理と並行して、供給網の分散や技術の国産化を進めている。相手国への依存が低下すれば、圧力を受けた場合の損失が小さくなり、競争を続ける余力も高まる。衝突を避ける取り組みと依存低減が、長期的な競争を支えるという逆説である。

米中の競争と限定的な協力が併存するなか、わが国には、関係安定の利益を取り込みつつ、両国の政策や交渉の変化に備える姿勢が求められる。日米同盟を基軸に中国に対する交渉力を高めるとともに、精製・加工や部素材の製造など、特定国への依存度が高く、供給途絶時の影響が大きい工程の供給基盤を強化する必要がある。リサイクルや代替技術の開発も進め、依存によって政策選択を制約されない「自律性」を確保することが重要となる。


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