コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

経済・政策レポート

リサーチ・フォーカス No.2026-019

中国におけるCBDC(デジタル人民元)政策の転換と今後の注目点

2026年06月15日 桂田健吾


中国人民銀行は2026年1月より、中央銀行デジタル通貨(CBDC)であるデジタル人民元について、従来の「デジタル現金」から「デジタル預金」へと位置づけを変更。

従来のデジタル人民元は、中央銀行の負債として設計され、主に現金の代替として、中国国内におけるリテール決済での利用を想定。正式な発行には至っていないものの、中国人民銀行は2020年から実利用を伴うパイロットテストを実施。

しかし、中国国内ではAlipayやWeChat Payといった民間モバイル決済が広く普及しており、利便性に劣るデジタル人民元の利用は停滞。また、流通を担う金融機関にとっては、AML/CFT対応などの業務負担が重い一方、収益機会は乏しく、普及を後押しするインセンティブが弱い点も課題。

こうした課題を背景に、中国人民銀行はデジタル人民元について、①現金から預金への枠組みの変更、②準備預金制度への組み入れ、③利息の支払(付利)、の3点を決定。これにより、デジタル人民元は商業銀行の負債と定義され、預金保険の対象となるとともに、信用創造(貸出等)も可能な仕組みに。

今回の政策変更について、国内外のシンクタンクは、デジタル人民元は、CBDCよりもトークン化預金に近い性質を持つようになったと評価。商業銀行が預金と同様に扱えるようになったことで、インセンティブの改善につながると指摘。また、企業間決済での利用に重点が移り、クロスボーダーでの人民元建て取引の拡大を図る手段として活用が進む可能性があるとの指摘も存在。

以上を踏まえ、今後のデジタル人民元の注目点は以下の2点。
① デジタル通貨をめぐっては、CBDCのほか、トークン化預金、ステーブルコイン、など多様な選択肢が存在。トークン化預金に近い性質を持つことになったデジタル人民元が、新たな決済手段として、中国国内で普及していく可能性あり。
② 中国は、CBDCを活用したクロスボーダー決済の促進を目指す国際プロジェクト(mBridge)を通じて、エネルギー関連の取引等における人民元建て取引の拡大を志向。デジタル人民元が「人民元の国際化」の起爆剤となる可能性。


(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)
経済・政策レポート
経済・政策レポート一覧

テーマ別

経済分析・政策提言

景気・相場展望

論文

スペシャルコラム

YouTube

調査部X(旧Twitter)

経済・政策情報
メールマガジン

レポートに関する
お問い合わせ