コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

経済・政策レポート

リサーチ・フォーカス No.2026-018

国債レポ取引の現状と懸念される国債市場への波及リスク

2026年06月12日 谷口栄治


国債レポ取引は金融システムの流動性を支えるインフラである一方、ヘッジファンドによるレバレッジ取引の増大が金融システムリスクの温床になると警戒する見方が存在。金融安定理事会(FSB)は、本年2月に公表した報告書のなかで、レポ取引が国債市場へショックをもたらすメカニズムとして、主に以下の3点を指摘。

【リスクの蓄積:レバレッジ・裁定取引の拡大】
ヘッジファンドがレポ取引を通じて短期資金を調達し、それをもとに現物・先物ベーシス取引などの国債の裁定取引を大規模に展開。
【リスクの顕在化:国債市場の混乱】
金利急騰時には、担保(国債)価格が下落し、レポ市場の貸し手から追加担保要請(マージンコール)が発生。ヘッジファンド等が手元流動性確保のために、国債の投げ売り(ファイアセール)を余儀なくされれば、さらなる債券価格下落(金利急騰)を招き、新たなマージンコールと資産投げ売りの悪循環が発生する懸念あり。
【リスクの波及:クロスボーダーでの影響】
レポ取引の約4割はクロスボーダーで行われているため、一国のレポ市場や国債市場の混乱が、他国の金融市場や取引相手(カウンターパーティ)にも波及する恐れ。

以上のリスクとわが国を含めた国債市場の環境変化を踏まえ、国内外の金融当局や国際機関において、主に以下の対応が必要に。

国際機関・各国金融当局(グローバル):①ヘッジファンド等のノンバンク金融機関による取引の実態把握(データギャップ解消)、②危機時に備えた中央銀行による流動性供給ファシリティの整備、③国債レポ取引等の中央清算の拡大、を要検討。
国内金融当局:本邦国債市場における海外投資家の取引シェア拡大等を踏まえ、マクロプルーデンスの視点から、ヘッジファンドのレバレッジ取引や国債取引の動向等に関するモニタリングを強化すべき。また、長期金利の急騰(財政リスクの顕在化)を防ぐため、財政健全化の方針を堅持し、市場の信認維持に向けたスタンスを明確に示すべき。


(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)
経済・政策レポート
経済・政策レポート一覧

テーマ別

経済分析・政策提言

景気・相場展望

論文

スペシャルコラム

YouTube

調査部X(旧Twitter)

経済・政策情報
メールマガジン

レポートに関する
お問い合わせ