リサーチ・フォーカス No.2026-017 米・イラン紛争を踏まえ、今後の原油市場をどうみるか ― シナリオ別の生産・価格見通し ― 2026年06月08日 栂野裕貴イランでの軍事衝突を受けて、世界の石油生産量は1割以上減少。ホルムズ海峡の封鎖と石油関連インフラの損傷を背景とする中東産油国の減産が主因。供給減を映じて、原油価格は1バレル当たり100ドル前後で高止まり。各国は在庫を取り崩して石油供給を維持しているものの、一部の需要を抑制せざるを得ない状況。今後想定されるシナリオは、①メインシナリオ、②サブシナリオ、③最悪シナリオの3通り。メインシナリオの場合でも、世界の石油生産が軍事衝突前の水準を回復するのは来年入り後となり、原油価格は軍事衝突前の水準に戻らない見通し。サブシナリオの場合は原油価格が年内100ドル前後で高止まりするほか、最悪シナリオの場合は150ドルに急騰する恐れ。各シナリオの分岐点は、紛争終結時期・ホルムズ海峡の正常化時期・中東産油国の増産ペース・投機筋の動向の4点。メインシナリオは7月末までに紛争が終結する場合、サブ・最悪シナリオは終結時期がそれよりも後ずれする場合を想定。メインシナリオでは数ヵ月でホルムズ海峡が正常化すると想定しているが、サブ・悪化シナリオは紛争が長引く分、正常化も遅れると仮定。サブシナリオは、メインシナリオに比べて中東の石油増産ペースが緩やかにとどまり、最悪シナリオは中東で大規模な追加減産が生じ、投機的な価格上昇も重なるケースを想定。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)