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リサーチ・フォーカス No.2025-058

日本の森林をどのように維持していくか ―森林経営管理法の改正と残された課題―

2026年01月20日 佐藤浩介


日本の森林は公益的機能の重要性が高まる一方で、私有人工林では適切な管理の停滞と荒廃が進行している。こうした課題への対応として、所有者に依存してきた従来の枠組みを改めるべく「森林経営管理制度」が 2019 年度に施行され、これを支える財源基盤として 2024 年度から「森林環境税」が導入された。

私有人工林の管理不全の背景には、森林所有者の経営意欲の低さと、林業経営者側の事業拡大意欲の高さという「需要と供給のミスマッチ」がある。森林経営管理制度は、市町村が仲介して経営管理権を受託・再委託する仕組みにより、主伐・再造林の循環を再生し、森林の経済的価値回復と公益的価値維持の両立を図ることを狙いとしている。また、2025 年度の森林経営管理法の改正により、顕在化した課題に対応し、所有者が不明な森林や共有林に関する特例、地域経営管理集約化構想が 2026 年度から導入される。

しかし、法改正後も、①森林境界の不明確さという構造的な問題が残ること、②市町村の担う役割がむしろ高度化してしまうこと、③森林の経済的な価値を引き出すための施策が講じられていないこと、といった課題が残る。

それらの課題に対応し、森林経営管理制度の実効性を向上させるためには、境界確定の加速化、市町村の専門人材の育成と活用、そして森林資源の利用拡大が重要となる。森林環境譲与税の配分方法の見直し、広域的な人材バンクの活用や、市町村と林業経営体の連携強化のほか、多角的な需要創出を進めることによって、森林の集約・利用・再造林の循環を着実に進めていくことが求められる。


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