リサーチ・アイ No.2026-068 新たに発足した「防災庁」に求められる実効性 2026年11月02日 新美陽大11月2日、「防災庁」が発足。同庁は、世界有数の災害大国であるわが国において、防災全体を俯瞰的に捉え、産官学民の力を結集して、中長期的な視点でわが国の防災の在り方を構想するとともに、事前防災から復旧・復興まで、一貫した災害対応の司令塔の役割を担う。同庁は、政府機関を横断した総合調整・施策実施のための勧告権を有する。わが国では、毎年のように風水害による甚大な被害が発生。とくに近年は、地球温暖化の影響を受けた気候変動によって短時間大雨が増加。人的被害とともに、直近10年間で年平均6,000億円もの経済的被害が発生。地球温暖化の原因とされる温室効果ガスの排出削減は進んでおらず、今後、気候変動の進行とともに、風水害等の激甚化・頻発化が懸念される。同庁は、当初の検討対象災害として「巨大地震」に言及。深刻な被害を及ぼす地震の対策は急務ながら、毎年のように被害が発生する風水害の対策も喫緊の課題。とくに地震と風水害は防災の在り方が異なる。風水害は、地震とは異なり、発災直前に対象地域・時間帯・規模等をある程度予測でき、避難等の発災前対策が有効。わが国が目指す「防災立国」の実現には各災害の共通点・相違点等を踏まえた、適切な防災の在り方の構築が不可欠。また、関連する政策分野、政府機関が多数あるなか、司令塔の役割を円滑に発揮できるか、同庁の実効性も問われる。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)