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リサーチ・アイ No.2026-065

スタグフレーション、金利上昇を想定したIMFの銀行ストレステスト ― 全体として強靭性を維持するも、アジアではエネルギー価格高騰による与信費用の増加がリスク ―

2026年10月30日 桂田健吾


国際通貨基金(IMF)は、本年10月に発表した国際金融安定性報告書(GFSR:Global Financial Stability Report)のなかで、29ヵ国、665行(世界の銀行資産の70%超)を対象としたストレステストの結果を公表。具体的に、25年末を起点として、中東情勢の混乱拡大に伴う石油・ガス供給の遮断や、AIへの期待剥落に伴うテクノロジー株の急落等により、26年に世界の実質GDP成長率が▲2%程度まで低下する一方、インフレにより金利が大きく上昇するスタグフレーションを想定。シナリオ期間は26~28年。

この結果、対象行全体の普通株式等Tier1比率(CET1比率)は、25年の13.0%から26年に11.5%まで低下。その後は回復に転じるも、28年に11.9%と25年の水準には戻らず。また、110行(対象行全体の資産の22%)は、CET1比率が7%を下回る「脆弱な銀行」に該当。

地域別にみれば、アジアではエネルギー価格高騰等により貸出先企業の信用力が悪化。与信費用が経常収益を上回りCET1比率は低下。一方、北米では金利上昇による経常収益の改善により、28年のCET1比率は25年を上回る水準。

足元でバーゼルⅢ最終化が進むなか、米国、欧州などでは緩和的な見直しの機運あり。ストレス下においても銀行の健全性を維持するためには、国際合意に基づいた着実な規制の実施が肝要。また、エネルギーショックによる金融システムへの影響は地域によって異なるため、各地域の状況に即したストレステストやモニタリングが必要。


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