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リサーチ・アイ No.2026-063

スペイン総選挙後に懸念される移民規制の強化 ― 労働投入量の伸び鈍化を通じて、潜在成長率が▲0.5%ポイント低下する可能性も ―

2026年10月23日 栂野裕貴


スペインでは、政府が提出した住宅価格の高騰対策が否決されたことを受けて、10月5日にサンチェス首相が議会を解散。移民流入を背景とする人口増加に住宅建設が追いついていないことで、住宅価格が高騰し、主要な政治争点に。

現時点の世論調査によると、11月29日に行われる総選挙の結果、社会労働党を中心とする現政権が退陣し、中道右派の国民党と右派ポピュリスト政党のVOXへの政権交代が生じるとの見方が優勢。寛容な移民受け入れ策が住宅価格高騰につながったとの不満や、7月末に生じたセウタへの不法移民の流入などを背景に、新政権が移民規制を大幅に強化する可能性。

もっとも、こうした規制強化は、スペインの潜在成長率を下押しする可能性も。スペイン経済は海外生まれの労働力への依存度を年々高めており、就業者数に占める海外生まれの割合は、2000年の4%から、足元にかけて24%に上昇。仮に、移民規制の強化を受けて、海外生まれの就業者数の増加ペースがコロナ禍前並みに減速した場合、資本投入やTFPなどの寄与度を一定とすると、潜在成長率は2025年対比で▲0.5%ポイント下振れると試算。海外生まれの就業者数が今後全く増えないという極端なシナリオでは、潜在成長率の下振れ幅が▲1.0%ポイントに拡大。供給力の天井が下がることで、これまでユーロ圏経済をけん引してきたスペインの成長率が下振れるリスクに要注意。


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