リサーチ・アイ No.2026-054
過去最高額となった家計金融資産とその変化 ― 株価上昇を背景に「貯蓄から投資へ」は進展、金利のある世界で定期預金・債券への資金流入も増加 ―
2026年09月24日 西村朱央
2026年6月末の家計金融資産残高は、前年同期比+11%の2,519兆円と、過去最高額を更新。内訳をみると、現預金比率は同▲5%ptと低下した一方、有価証券(株式等、債券、投資信託)の保有比率は同+6%pt上昇するなど、「貯蓄から投資へ」の進展を示す結果に。
残高増の主因は、株高や円安に伴う株式と投信の評価益。株式と投信の時価増加により、残高を前年比約200兆円押し上げ。時価要因を除いたフローベースでは、新NISAの定着を背景に2024年以降、投信への資金流入が拡大しており、今後も家計金融資産の増加を後押しする見通し。
現預金および債券の増減をみると、流動性預金の伸びが鈍化する一方、定期性預金および債券への資金流入が拡大。日銀による累次の政策金利引上げに伴い、「金利のある世界」へ転じるなか、投資リスクの低い金融商品での運用需要を喚起。
今後の焦点は、株価・金利の動向と資産形成の裾野の広がり。足元の資産増加は、株価上昇による効果が大きく、この動きが一服した場合、伸びが鈍化する可能性。また、「貯蓄から投資へ」の動きが加速するなか、資産効果を享受できる層と、資産形成に十分な資金を振り向けられない層との間で格差が拡大する恐れあり。より広範な層に資産形成を促す取り組みが重要。
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