リサーチ・アイ No.2026-049
FIMAレポ活用で為替介入余地は拡大も、円相場への影響は一時的 ― 円高トレンドへの転換には、日米金利差などの円安要因の変化が必要 ―
2026年09月04日 西村朱央
今夏の円相場では、円安そのものに加え、追加為替介入を巡る日米通貨当局の連携が市場の焦点に。7月末のドル売り・円買い協調介入後に公表された片山財務大臣談話にて、今後の「外国・国際通貨当局向け(FIMA)レポ・ファシリティ」活用が示唆されたことで、追加介入への警戒感から円高が加速。
従来のドル売り・円買い介入では、ドルを調達すべく、外国為替資金特別会計(外為特会)が保有する米国債などのドル資産を売却してドルを調達。もっとも、大規模な米国債の売却は米長期金利の上昇圧力となるほか、即座に利用可能な外貨預金残高も限定的であり、市場では追加介入には上限があるとの見方も。
今回示唆されたFIMAレポは、保有する米国債をFRBに一時的に売却し、後で買い戻すことでドルを調達する枠組み。これを利用すれば、わが国は米国債を市場で売却することなく介入原資を確保できることから、米国債市場への影響を回避しながら機動的なドル調達が可能に。
一方、FIMAレポによる外貨調達は一時的な資金の借り入れであり、最終的にはレポ金利の支払いと米国債の買い戻しが必要。したがって、実際にFIMAレポを用いた介入を実施した場合も、円安是正効果は一時的なものにとどまる公算。円高トレンドへの転換には、日米金利差などの円安の背景にある要因の変化が必要。
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