リサーチ・アイ No.2026-042 韓国、「N%成果給」が招くインフレ懸念 ― 半導体産業発の大幅ボーナス増が他産業の賃金交渉に波及 ― 2026年08月19日 今川冬馬韓国では、半導体産業の給与が大幅に増加しており、平均成果給は前年から6割増加。SKハイニックスでは、世界的なAIブームによる収益の大幅な増加に加え、営業利益の10%を成果給の原資とする制度の導入を背景に、年棒を超える成果給を支給。これを受け、サムスン電子でも同社並みの成果給を支給することで労使が合意。半導体産業で始まった収益の一定割合を従業員に還元する「N%成果給」導入への要求は幅広い産業に波及。たとえば、IT大手のカカオでは、労働組合が営業利益の10%を超える成果給を求めてストライキを行い、最終的には年俸の大幅引き上げを獲得。成果給への要求が高水準の賃上げを引き出す交渉材料として作用。こうした動きは、幅広い産業の賃金上昇につながる可能性。とりわけ半導体産業やIT産業で支給される高額な報酬が他産業の労使交渉における参照点となれば、賃上げ圧力が経済全体に波及。賃金上昇の広がりはインフレ圧力を強める懸念。とくに、韓国のサービス業では、労働生産性の伸びが製造業に比べて長期にわたって低位にとどまっており、賃上げは労働コスト上昇を通じて企業収益を圧迫し、販売価格への転嫁を促す要因に。実際、過去にもサービス業の賃金上昇局面では、サービス価格の上昇率が高まる傾向。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)