リサーチ・アイ No.2026-032 【関西経済シリーズ No.2】 関西における中小企業の持続的な賃上げの重要性― 適正な価格転嫁と「稼ぐ力」の強化が課題― 2026年07月22日 西浦瑞穂今年の春闘の賃上げ率は昨年に続き高水準に。もっとも、中小企業は大企業に比べて業績の改善が遅れており、賃上げ原資の確保に課題。中小企業では、業績の改善はみられないが賃上げを検討する企業が半数近くに上り、業績の改善を背景に「防衛的賃上げ」実施の割合が低下している大企業と差。中小企業で働く雇用者の割合は、関西では大阪以外の府県で全国平均を超えているほか、大都市を有する大阪でも65%と、東京の41%を大きく上回る水準。関西経済にとって、雇用基盤を支える中小企業の持続的な賃上げの実現は極めて重要。中小企業の賃上げ余力を高めるためには、まず、適正な価格転嫁の進展が必要。関西府県の中小企業の価格転嫁率をみると、和歌山、滋賀、奈良では全国平均を下回り、価格転嫁の進捗に遅れ。もっとも、全国平均を上回る大阪、兵庫、京都でも、価格転嫁率は50%台半ばに過ぎず。コスト上昇分を十分に転嫁できていないことが、収益の圧迫要因に。さらに、今春以降は中東情勢の緊迫化による資源高が新たなコスト上昇圧力となるなか、価格転嫁の重要性が一段と高まっている状況。あわせて、中小企業の「稼ぐ力」の強化も不可欠。関西企業に対して設備投資計画に影響を与えた事項を聞いたアンケート調査によると、中小企業はデジタル化・DXの重要性を認識しつつも、大企業に比べると投資につながる動きは限定的。デジタル化による業務の効率化と省力化を通じ、収益の底上げを図る必要。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)