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リサーチ・アイ No.2026-020

新たな防災気象情報の意義と課題

2026年06月03日 新美陽大


5月29日、気象庁は新たな防災気象情報を運用開始。6月には台風6号の影響で警戒レベル4・5が発表。本改定は、24年6月の「防災気象情報に関する検討会」の提言を踏まえ、災害情報と避難情報を対応させ、行動判断しやすくすることが目的。具体的には、4種類(河川氾濫、大雨、土砂災害、高潮)の災害情報に、避難情報に紐づく5段階の警戒レベルを統一して設定。

近年、災害につながる顕著な気象現象の発生回数は増加。1時間降水量50ミリ以上の大雨の年間発生回数は40年前の約1.5倍。わが国における高齢化等の状況を踏まえると、頻発化する気象災害に対して、前もって避難等の対策を講じる必要性が高まっている。本改定は、こうした事態に情報発信の側面から応える施策として意義。混乱をきたさないよう、周知徹底が肝要。

もっとも、情報の精度は要改善。気象庁は、甚大な災害の発生の恐れを早期に伝えるため、17年から「早期注意情報」を運用開始。5日前から当日に、警報級の発生確度を公表。しかし、大雨に関する早期注意情報をみると、防災の目的からは避けるべき“見逃し”は約2割である一方、“空振り”は増加傾向かつ昨年は8割超。空振りが頻発すれば、いわゆる“オオカミ少年効果”により、住民からの信頼度が低下し、災害発生の際に避難が行われない恐れも。

今後は、台風・線状降水帯等の顕著な気象現象の予測も含め、防災気象情報の精度向上が急務。住民への情報発信についても、本改定を周知するとともに、メディア経由だけでなく、位置情報を活用したスマホへの情報発信の拡大など、多様な対策を講じて適切な行動判断を促進すべき。


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