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リサーチ・アイ No.2026-012

IMFが懸念する主要国の国債市場のリスク ~ヘッジファンドによる裁定取引が拡大、レバレッジの巻き戻しのリスクに要注意~

2026年05月11日 谷口栄治


国際通貨基金(IMF)は、本年4月に公表した国際金融安定性報告書(GFSR:Global Financial Stability Report)において、今後の金融リスクのひとつとして、主要国(日、米、欧)の国債市場の脆弱性を指摘。具体的に、政府債務残高対GDP比が高止まりするなか、タームプレミアムが上昇しているほか、新規発行国債の平均年限も短期化。

加えてソブリン市場では、ヘッジファンドによる裁定取引(アービトラージ)も拡大。ヘッジファンドは、借入(レバレッジ)を活用し、現物と先物の価格差に着目した取引(現物・先物ベーシス取引)や、スワップ金利と国債金利の差に着目した取引(スワップ・スプレッド取引)を実施。

一方、長期金利急騰(国債価格急落)時には、市場リスクが高まる恐れ。具体的に、ヘッジファンドが差し入れている担保価格が下落し、追加の担保差入要請(マージンコール)が発生、ヘッジファンドは手元資金を確保するため、保有もしくは担保の国債の投げ売りを余儀なくされ、それがさらなる金利上昇につながる悪循環が生じるリスクあり。

国債市場発のシステミックリスクの発生を防ぐため、IMFは、各国金融当局に対して、①中央銀行による流動性供給ファシリティといったセーフティネットの確保、②カウンターパーティリスクの抑制を企図した中央清算の拡大、③ヘッジファンドをはじめとするノンバンク金融仲介機関(NBFI)に対する監視・監督の強化、を提言。また政府債務負担を軽減すべく、財政健全化の重要性も強調。


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