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リサーチ・アイ No.2025-145

欧州における防衛費拡大を補完する公的金融のあり方 ― DSRB(防衛・安全保障・レジリエンス銀行)構想の成否に要注目 ―

2026年03月03日 中井勇良


欧州では自立した防衛体制構築の必要性から、防衛費拡大の機運が高まり。NATOが加盟国の防衛支出目標をGDP比で5%以上に引き上げるなか、EU加盟国はいずれもこの目標を未達成。一方、財政赤字はEUのルールである▲3%以内から逸脱している国が約半数と、財政的な余裕も欠いている状況。

国家財政に大きな影響を与えずに防衛産業へ資金を供給する仕組みの不在が課題に。欧州再軍備計画の一環であるSAFEは、共同債による資金調達を前提としているため、財政に影響が及ぶ一方、欧州を本拠とする国際開発金融機関(MDBs)は、防衛目的での資金供給が不可。こうした課題を解決するため、防衛産業への資金供給が可能なMDBとして、防衛・安全保障・レジリエンス銀行(DSRB)設立構想が浮上。

DSRBは加盟国の出資をバックに高い信用格付けを得ることで、低コストでの資金調達が可能。メリットは①出資者(国)にとっては、民間資金を活用した自国の防衛力・防衛産業の強化、②民間金融機関にとっては、DSRBの保証のもとでリスクを抑制しながら防衛産業に資金供給が可能、③投資家にとっては、高格付の運用資産が新たに生成、などが指摘可能。

今後、わが国でも、財政制約のもとでの防衛力強化が重要な政策課題に。現状、財政投融資を裏付けとした政府系金融機関による融資制度が存在するが、新たな選択肢として、DSRB構想が参考になる可能性あり。同構想については、一部の欧米諸国や民間金融機関が支持を表明する一方、ドイツや英国といった主要国が消極姿勢を示すなど、課題が山積。わが国としても、今後の防衛費捻出の観点からも、DSRB構想の成否に要注目。


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