リサーチ・アイ No.2025-143 米・イスラエルによるイラン攻撃のわが国への影響と今後求められる対応 2026年03月02日 栂野裕貴2月28日、米国とイスラエルがイランを攻撃。報復として、イランがイスラエルや米軍が駐留する周辺国を攻撃するなど、中東情勢が緊迫化。多くの船舶が、原油・液化天然ガス(LNG)等の輸送の要衝であるホルムズ海峡の航行を避けており、同海峡は「事実上の封鎖」状態。中東の原油供給が大きく下振れる当社の最悪ケースでは、原油価格は1バレル120ドルに。原油価格の高騰は、ガソリンや軽油、灯油等の石油製品価格に加えて、原油価格に連動するLNGの輸入価格も上昇させ、ガス・電気代にも波及。さらに、エネルギーコストの増大は、様々な財・サービスの価格上昇にもつながり、わが国全体のインフレ圧力に。わが国には石油備蓄・LNG在庫があり、当面は供給可能ながら、中東からの原油・LNG輸入が困難な状況が続き、石油備蓄等が枯渇すれば、わが国経済への悪影響は深刻化。試算では、中東からの原油・LNG輸入が途絶すると、わが国の石油備蓄等は約260日で払底、電気・ガス業や製造業を中心に減産圧力が高まり、GDPを▲3%弱下押し。中東情勢の先行きは不透明であり、わが国政府・企業は、中東からの原油・LNG輸入制約の長期化も想定して、代替調達などに向けた対応が急務。長期的な観点では、国内の石油備蓄等の強化や周辺国も含めた広域備蓄制度の整備のほか、グリーントランスフォーメーション(GX)の推進によって化石燃料依存を低減させて、供給ショックへの耐性を高めることも重要。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)