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リサーチ・アイ No.2025-141

新興国との自由貿易交渉を急ぐEU ― 発効の遅れは経済的な便益を先送りに ―

2026年02月25日 中井勇良


近年、EUは自由貿易圏を拡大。2026年1月にメルコスール4ヵ国との連携協定と暫定貿易協定に署名したほか、インドとの自由貿易交渉も交渉が妥結。

EUが交渉を急ぐ背景は、対米・対中貿易依存への危機感。近年、両国はEUの貿易相手として、存在感が増大。これにより、廉価な中国製品の流入が域内の産業競争力を低下させているほか、足元では保護主義を強める米国との関係悪化も貿易のリスクに。

もっとも、メルコスールとの自由貿易の実施は遅れる見通し。フランスを中心とした農業国が協定に反発していることが背景。EUはメルコスール4ヵ国との間で、農畜産品において約20億ドル(2024年)の貿易赤字を計上。同協定では、EUが輸入する農畜産品への免税枠の上限設定や、輸入急増時の関税優遇措置の一時停止などのセーフガード措置が盛り込まれているものの、赤字増加への警戒感が根強い状況。欧州議会は司法裁へ同協定の適法性審査を付託したことから、各EU加盟国の批准と協定発効には相応の時間を要する見込み。

協定発効の遅れは、貿易の自由化に伴う経済的な利益獲得を先送りする恐れ。欧州委員会の試算では、同協定は関税率の引き下げを通じ、今後15年で対メルコスール輸出を約4割押し上げる見通し。品目別に見ると、基幹産業である自動車の輸出が3倍程度増加するほか、農畜産品の輸出も増加する見込み。


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