リサーチ・アイ No.2025-131
EUのEV方針転換、需給両面に残る課題 ― 低い価格競争力と脱炭素化投資の遅れがネック ―
2026年01月20日 中井勇良
欧州委員会は、電気自動車(EV)に対する方針を転換。2025年12月に公表された「自動車パッケージ」で、エンジン車の販売を2035年までに事実上禁止する方針を撤回。
方針撤回の背景として、欧州におけるEV普及の遅れが指摘可能。欧州における自動車販売では、ガソリン車・ディーゼル車といったエンジン車は全体の約4割を占める一方、バッテリー式EVの販売は2割弱にとどまる状況。EV販売における欧州車シェアも小。欧州製EVの普及が遅れている背景は低い価格競争力。欧州委員会の調査では、消費者がEV購入をためらう理由として価格の高さが最多の回答に。
こうした方針転換が、欧州自動車産業を活性化させるかは不透明。需要面では、小型EVの価格が高いことが課題。欧州市場では中国とは異なり、小型EVはガソリン車よりも6割程度高価。
また、供給面では、低炭素鉄鋼の供給体制の遅れが課題に。35年以降のエンジン車等の製造には、製造時のCO2排出量を削減した欧州産低炭素鋼の使用が求められるものの、低炭素鋼供給に向けた投資は遅延が目立つ状況。
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