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リサーチ・アイ No.2025-114

米大手行を対象とした補完的レバレッジ比率(eSLR)の見直し ~米国債市場の機能改善を目的に資本規制を緩和~

2025年12月02日 谷口栄治


米金融規制当局(米連邦準備理事会(FRB)、米連邦預金保険公社(FDIC)、米通貨監督庁(OCC))は、11月25日、米大手行(G-SIBs)に対する厳格な補完的レバレッジ比率(eSLR:enhanced Supplementary Leverage Ratio)見直しの最終案を公表。

SLRは、「Tier1資本÷エクスポージャー額(オンバランス項目+オフバランス項目、リスクウェイトによる調整なし)」にて算定される資本規制。今回の見直しは、大手行を対象とした厳格なeSLRの所要水準を引き下げるもの。これにより、米大手行の所要水準が、1~1.5%ポイント程度引き下がることに。

本規制見直しの目的のひとつが、米国債市場の機能改善。金融市場混乱時は、投資家が流動性確保のために米国債を売却する動きが広がり、銀行による保有や取引の仲介が重要となる一方、SLRがバランスシート拡大の制約要因になるリスクあり。SLRの所要水準の引き下げにより、大手行による米国債保有が容易となり、市場の安定性が向上する効果が期待されている。

米トランプ政権では、今回のeSLR見直しのほかにも、金融規制・監督の緩和に関する検討を推進。本邦金融セクターとしては、本規制見直しによる米国債市場への効果に加え、一連の規制・監督の見直しに伴う米銀の国際競争力や金融システムへの影響についても考慮する必要あり。


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