リサーチ・アイ No.2025-106 7~9月期GDP予測 ― 6期ぶりのマイナス成長、主因は財輸出と住宅投資の減少 ― 2025年10月31日 古宮大夢7~9月期の実質GDPは前期比年率▲2.7%(前期比▲0.7%)と、6四半期ぶりのマイナス成長を予想。米国向けを中心に財輸出が減少したほか、法改正を見越した駆け込み需要の反動で住宅投資が大きく減少し、成長率を下押しする見込み。①個人消費(前期比年率+0.5%、前期比+0.1%)6四半期連続の増加。食料品価格を中心とした物価高を背景に非耐久財が弱含んだ一方、宿泊・飲食を中心にサービス消費は堅調に推移。②住宅投資(前期比年率▲26.2%、前期比▲7.3%)3四半期ぶりの減少。4月以降に着工される建築物に関して省エネ基準の適用義務化などを含む法改正が行われたことで、住宅着工は3月に駆け込みで急増した後、4月以降に大幅減少。この着工の減少が、7~9月期のGDPの住宅投資(進捗ベースで計上)に反映。③設備投資(前期比年率▲3.0%、前期比▲0.8%)4四半期ぶりの減少。人手不足やDX化などの中長期的な課題の解決に向けてソフトウェア投資は引き続き高水準で推移するものの、輸出企業を中心とした企業収益の減少などが反映され、機械投資は減少。④外需(前期比年率寄与度▲1.4%、前期比寄与度▲0.3%)輸出は前期比年率▲9.4%と、米関税の影響が顕在化して大幅に減少。7月末に妥結した日米関税交渉を受けて、企業は関税コストを販売価格に転嫁し始めているとみられ、数量ベースでも財輸出が減少。輸入も減少(同▲3.2%)したものの、輸出の減少幅には及ばず、外需はマイナス寄与に転化。10~12月期の実質GDP成長率は小幅ながらプラスに転じると予想。世界景気の減速が外需の重石となるものの、内需が景気を下支えする見込み。ソフトウェア投資を中心に企業の設備投資意欲は旺盛であるほか、インフレ率の低下を受けた家計の購買力改善が消費の追い風に。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)