リサーチ・アイ No.2025-093 近畿短観(2025年9月調査)でみる関西経済 2025年10月03日 西浦瑞穂日銀大阪支店「短観」(近畿地区)の2025年9月調査によると、全産業の業況判断DIが+13と、前回調査から1ポイントの改善。業種別にみると、製造業、非製造業ともに横ばいで推移。製造業では、米トランプ政権による分野別高関税の対象となっている鉄鋼や金属製品などが悪化したものの、総じてみれば7月下旬の日米関税交渉の合意を受けた先行き不透明感の緩和が景況感の下支えに寄与した模様。経常利益の水準は引き続き高水準を維持。2025年度の売上高および経常利益(全産業・全規模)の見通しはそれぞれ前年度比+2.2%、▲5.4%。前回調査と比べ、売上高は▲0.1%ポイントの修正にとどまり、経常利益は+2.0%ポイントの上方修正に。2025年度の設備投資計画(全産業・全規模)は前年度比+9.9%と、企業は設備投資への積極的な姿勢を維持。米トランプ政権による関税の引き上げが関西企業に及ぼす悪影響はこれまでのところ限定的。もっとも、業況判断DIの先行き見通しは悪化しており、企業の見方は依然慎重。米国の関税引き上げによる輸出の下押しや、物価高による個人消費の伸び悩みが懸念材料に。また、金利の上昇が企業の資金繰りに及ぼす影響にも注意が必要。企業の資金繰りDIを規模別にみると、2024年半ば以降、改善傾向にある大企業とは対照的に、中堅・中小企業ではやや悪化方向。先行き、金利の上昇とともに企業の資金繰りに厳しさが増すようであれば、設備投資が下押しされる恐れ。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)