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リサーチ・アイ No.2025-091

西側諸国の対ロシア制裁、早期停戦を促す効果は限定的

2025年09月26日 栂野裕貴


欧州や米国等の西側諸国はロシアに対する制裁案を公表。ロシアの継戦能力を支える石油収入を削ぐことが狙い。EUや英国等は9月からロシア産原油の上限価格を超えて取引される原油輸送への船舶保険を禁じることで、ロシア産原油単価を引き下げる構え。さらに、米国はロシアの原油輸出数量を減らすため、主要輸入国である中国にロシア産原油の購入停止を要求しているほか、インドには8月に50%の関税を賦課。他の西側諸国にも、中印に対する関税賦課やロシア産原油の輸入停止を要求。

もっとも、こうした制裁がロシアの石油収入に及ぼす影響は限定的となる公算大。ロシアは原油輸送に「影の船団」と呼ばれる保険未加入の船舶を使用することで、制裁を回避。これにより、ロシアは西側諸国が設定する上限価格を上回る水準での取引が可能な状況。

ロシアの原油輸出数量の減少も期待薄。中印はロシアからの原油調達を今後も続ける方針であるほか、西側諸国も自国経済への悪影響を避けるため、中印に対する関税賦課等に消極的。

ただし、中長期的にみれば、対ロシア制裁は同国の石油生産能力を下押しする見通し。制裁を受けて、外資がロシアからの撤退や新規投資の停止を決定することで、ロシアが西側諸国の先進的な掘削技術を活用できなくなること等が背景。


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