リサーチ・アイ No.2025-069
インバウンド消費はモノ消費からコト消費へ ― 訪日リピーターが体験型消費に意欲的、円高推移が重石となるインバウンド消費を下支え ―
2025年08月01日 古宮大夢
近年のインバウンド消費の中心は、財消費からサービス消費に変化。訪日消費額に占める買い物代の割合は近年低下しており、国籍別にみると、訪日買い物客の中心的存在であった中国人観光客を筆頭に低下。
この背景として、訪日リピーターが体験型消費に意欲的であることが指摘可能。訪日外客数の8割以上を占める東アジアやASEAN6からの訪日客はリピーターが特に多く、サービス消費割合の押し上げに貢献。
加えて、米欧など遠方からの訪日客の増加もサービス消費を押し上げ。遠方からの訪日客は滞在期間が長くなることで、宿泊費や交通費などのサービス消費割合が大きくなる傾向。近年、政府はビザの免除・要件緩和など訪日旅行の容易化に向けた取り組みを推進しており、こうした措置の拡大が遠方からのインバウンド消費拡大の追い風に。
先行きのインバウンド消費は、円高推移による下押しが懸念されるものの、為替の影響を受けにくいサービス消費が全体を下支えする公算大。アジア諸国を中心とした訪日リピーターや米欧など遠方からの観光客の増加が今後も見込まれるなか、こうした訪日客に向けた体験型消費の高付加価値化なども重要に。
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