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リサーチ・アイ No.2025-060

社会保障問題に揺れる英国の財政運営 ― 財政悪化懸念の高まりによる金利急騰が景気下押しリスクに ―

2025年07月23日 中井 勇良


英国では、膨張する社会保障費が財政を圧迫。同国では高齢化のみならず、現役世代の長期療養者の増加も社会問題に。OBRの試算によれば、現役世代の健康問題は、非労働力化などを通じて税収を▲89億ポンド減少させるとともに、医療費の増加を通じて政府支出を68億ポンド押し上げ。

財政赤字の抑制に向けて歳出削減が必要であるにもかかわらず、スターマー政権は冬季暖房費と障がい者向けの個別自立給付(PIP)の削減方針を撤回。この背景として、社会福祉関連費用の削減方針への反発を受けて、5月の地方選挙で与党の労働党が大敗したことが指摘可能。25年3月時点の財政見通しでは、29年度にはこれらの支出を約▲60億ポンド削減する計画あったが、これを撤回したことでGDP比0.2%の財政負担増。

こうした歳出圧力の強まりで、金利高騰リスクには要警戒。英国は政府債務の対GDP比率がOECD諸国の中で5番目に高く、財政悪化懸念を招きやすい状況。7月初旬に財政規律派のリーブス財相の辞任観測が浮上すると、英国の長期金利は急騰。政府の利払い負担は22年以降高水準で推移しており、金利の高騰が利払い費の増加を通じ、さらなる財政悪化につながるリスク。


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