リサーチ・アイ No.2024-081 近畿短観(2024年12月調査)でみる関西経済 2024年12月17日 西浦瑞穂日銀大阪支店「短観」(近畿地区)の2024年12月調査は、全産業の業況判断DIが+11と、前回調査から2ポイントの改善。業種別にみると、製造業が4ポイント改善し+5に。輸出に底打ちの兆しがみられつつあることを背景に、コロナ禍後に続いたゼロ近傍での動きから脱する兆し。非製造業は前回調査からわずかに悪化したものの、1991年以来の高水準を維持。2024年度の経常利益(全産業・全規模)は前年度比▲13.7%と、前回調査(同▲17.5%)から上方修正されたとはいえ、減益計画であることは変わらず。もっとも、コロナ禍前に比べ高水準を維持。良好な収益環境のもとで、設備投資は堅調。設備投資計画(全産業・全規模)は前年度比+10.8%と、前回9月調査に続き1割前後の拡大を計画。一方、企業の人手不足感は強い状況。雇用人員判断DI(全産業・全規模)は、「不足超」幅が前回調査からさらに拡大。先行きについては、世界的な財需要の回復に伴う輸出の持ち直しを背景に、製造業の景況感の改善が進む見込み。また、インバウンド需要の拡大や所得環境の改善に伴う個人消費の回復が非製造業の景況感の下支えに寄与する見通し。もっとも、景気の回復とともに、人手不足に伴う供給制約の強まりが懸念材料に。加えて、米国の第2次トランプ政権のもとで進められるとみられる関税引き上げなどの通商政策によって、中国経済が大きく減速すれば、中国向け輸出のウェートが高い関西の製造業の回復が腰折れする可能性も排除できず。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)