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Business & Economic Review 2010年4月号

【特集 金融危機後の欧州経済】
金融危機を経た欧州経済─統合の行方

2010年03月25日 中央大学経済学部教授 田中素香


1.はじめに
わずか1年前の今頃、世界はリーマン・ショックに続く世界金融危機と貿易・生産の急激な下落に直面して、1930年代型の大不況の再来に怯えていた。1年後、大不況再来という危機意識は薄れた。二番底の警告は一部で聞かれるものの、不況対策に支持されて2009年第4四半期(Q4)の米国の成長率(前期比年率)は5.7%と事前予想を上回り、日本も不況対策と中国などアジアへの輸出に支えられて4.6%を記録した。ところがEUはわずか0.2%(ユーロ圏は0.4%)であり、欧州経済の不調が目立っている。世界金融危機から今日までの景気の推移の形は、「アジアはV字、米国はU字、欧州はL字」といわれているとおりである。それだけではない。ユーロ圏において「ギリシャ危機」のようなユーロの安定を揺すぶる深刻な問題が噴き出している。欧州危機の深刻さは、低成長や失業率の増加といった景気循環的な要因だけでなく、欧州経済の存立構造そのものが動揺しているところにある。
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