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Business & Economic Review 2010年2月号

【特集 世界的危機後の金融】
金融政策と金融システム安定化

2010年01月25日 神戸大学 経済学部教授 地主敏樹



目次

  1. はじめに
  2. 今回の金融危機対応策
  3. 危機対応からの出口
  4. 今回の危機の原因となった失敗
  5. マクロ金融政策運営
  6. マクロ・プルーデンス政策
  7. おわりに



      1.はじめに
       今回の金融危機が発生する前は、低インフレと好景気を享受した国々が多く、Great Modernizationと呼ばれた。そうした状況をもたらした一因として、物価安定を重視し、透明度を高めた、金融政策運営が称賛された。その典型であるインフレ目標に基づいた政策運営が、世界的な標準ともなっていた。他方で、日本のバブル崩壊とその後の長期低迷は例外的な失政の結果だとみなされてきた。ITバブル崩壊後の順調な景気回復もあって、資産バブルには崩壊後に対応可能だとの考え方が強まったことも、日本の経験を失政と関連付けるものとなっていた。
       今回の金融危機によって、こうした金融政策運営に関する考え方が再検討を迫られることとなった。本稿では、その現在進行中の再検討をまとめて、考察を加えてみたい。前半の3つの節では、今回の危機に直接関連するトピックとして、危機対策、危機対応からの出口、今回の失政について検討する。後半の2つの節では、今後のマクロ金融政策運営とマクロ・プルーデンス政策について論じる。

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